Candle Shop Film

月の神秘性を鏡で表現したキャンドルショップ

満月の夜に新作を発表する「Candle Shop Film」。その旗艦店の内装計画において、「月」を大きな要素として扱いました。月はその満ち欠けに古くより世界中の人が思いを馳せてきた存在であり、私達の生活の中で一番身近な天体といえます。本計画では、円形の大きな鏡をキャンドルとショップの世界観を写し込む大きな月鏡(つきかがみ)として設えました。西洋の「白雪姫」の魔法の鏡や、「鏡の国のアリス」の異世界の入口の鏡は、楕円形に描かれることが多い傾向があります。一方、日本では、 神社に祀られる「神鏡」や、遺跡から出土する青銅鏡のように真円であることが多いと言われます。日本の鏡のルーツは、古代中国の宇宙観に由来するものです。古来より、不思議な力があると思われている鏡と、知っているようで未知である天体の月。この神秘性を持つ二つの要素を掛け合わせ、内装に取り込んでいます。遮光のカーテンを閉め、暗闇にすると月鏡も新月となり姿を潜め、カーテンを開き、キャンドルに灯りを灯すと月鏡が姿を表すという、単純ながらも本来の衛星としての関係性を店内でも再現しています。店舗は、名古屋の久屋大通公園に面したビルの2階に位置し、窓から緑と自然光が降り注ぐ環境でもあるため、カーテンを開けた営業時は、風に吹かれ揺らぐ木々の影も映し込み、設計時の想定以上の豊かな表情をつくり出しています。(MYST

 

「Candle Shop Film」
所在地:愛知県名古屋市東区泉1-14-23 ホワイトメイツ2階
オープン:2022年8月27日
設計:MYST
床面積:30㎡
Photo:森田真悠

【内外装仕様データ】
床:塩ビタイル貼り(ダイナミックストーン/東リ
壁:PBt12下地EP 左官仕上げ(ジョリパット/アイカ工業
天井:既存RC躯体EP
家具・什器:ラワン合板EP St.角パイプ St.PL t1.6黒皮仕上げ 玄武岩


MYST
3人のデザイナー、1人の写真家から構成される、商空間デザインのプロフェッショナルチーム。それぞれが培った、建築・インテリア、国内・海外、プロジェクトの大小問わない様々な経験を、余すこと無く活かし、最適解を導く、「伝わる」ことに重きをおいた設計を提案している。写真左から、篠元貴之(ベターシティ 代表取締役)、武田慎太良(武田慎太良デザイン事務所 代表)、森田真悠(ma/U)、住野裕樹(Agio architects studio 代表)

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