既存建物を現代のワークプレイスへとリノベーション
東京・恵比寿と広尾の中間にあるオフィス1棟を、シェアオフィス「BLOCKS」へとリノベーションしたプロジェクト。「BLOCKS」としては、不動前に続き2棟目となる。
既存建物は、明治通り沿いの桜並木に面し、裏側に渋谷川が流れる。40mを超える幅広い通りに対して、両端の歩道それぞれで印象的な風景があり、そこにブランドを感じさせるファサードをデザインした。内装は、不動前からのブランドイメージを踏襲しつつ、2階のラウンジ1は、渋谷川の掘り込みを反転させるイメージで天井に環状の棚を設け、ワークスペースを確保しながらブランドコンセプトの1つである植栽を多く取り入れる工夫をしている。2階には、他に会議室や1〜2名用の個室オフィス、雰囲気の異なる小さめのラウンジも用意されている。3〜9階は、元から小さなオフィスとして利用されているため大きな区画変更はせず、共用部であった給湯、コピー室などを整理して、新たにWEBブースを追加した。
無駄になっていたスペースを整理し、従前から専有部の面積を増やしながらも共用部を充実させることで、様々なワークスタイルに適応させることを考えた。結果として、従前より倍以上収益を高め、かつ利用者にとっても魅力的なワークプレイスになったと思う。(大平貴臣/OSKA&PARTNERS)
「BLOCKS EBISU」
所在地:東京都渋谷区広尾1-11-2
オープン:2023年4月3日
設計:OSKA&PARTNERS 大平貴臣
床面積:1800㎡
Photo:矢野紀行
【内外装仕様データ】
床:タイル貼り(平田タイル) フローリング貼り(ニッシンイクス) カーペット敷き(オーシマプロス、東リ) 塩ビタイル貼り(東リ)
壁・天井:PBt12.5下地AEP塗装 一部突き板リブ材(サカイ)
その他:無垢杉材カウンター(前田建具製作所) 照明器具(NEW LIGHT POTTERY、大光電機)
大平貴臣/OSKA&PARTNERS
1980年、東京都生まれ。2004年、日本大学大学院理工学研究科 建築学 博士課程前期 修了。デザイナーとして店舗・住宅のデザインに従事。2007年、大平貴臣建築設計事務所設立。2012年、OSKA&PARTNERS 共同設立。2014年〜株式会社OSKA&PARTNERSに改組 代表取締役。2018年〜日本大学理工学部建築学科非常勤講師。