人の流動性を高める“町”のようなオフィス空間
グループウェアの開発、販売、運用を手掛けるサイボウズのオフィス「Cybozu TeamHub Tokyo」。変化し続ける社会に対応できる強い組織であるために、社員一人ひとりが積極的にアイデアを生み出し、社内外のさまざまな人の共感を得ることが求められている。そうした背景から、共創を促しながらハイブリットワークができる場の在り方を模索した。空間は下町のようなつくりをイメージし、社員の交流や協働の場となり、全国の拠点をつなぐバーチャルのハブとした。壁や家具の角を丸くした柔らかなデザインは、人の流動性を高める。また、コミュニケーションの場、集中作業やソロワークの場といった場所の機能に合わせ、空間のベースカラーを変えることで、多様なメリハリのあるデザインとしている。フロアの中心には交流の場となる「Central Park」と称したエリアを構えている。有機的なチューブ照明は角度によってはサイボウズの頭文字を取った「C」に見えるポイントがあり、焦点が合う瞬間を他者との「共感」の象徴としている。(岩佐知樹/コクヨ)
「Cybozu TeamHub Tokyo」
所在地:東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 27階
オープン:2022年8月1日
設計:コクヨ 岩佐知樹
床面積:1250㎡
Photo:ナカサ&パートナーズ
【内外装仕様データ】
床:既存OAフロアの上タイルカーペット貼り(interface、川島織物セルコン、アドヴァン)
壁:LGS組みPBt12.5二重貼り下地AEP
天井:岩綿吸音板AEP 不燃SUS複合板光沢仕上げ、HL仕上げ
その他:テーブル(コクヨ、QUON) チェア(コクヨ、アクタス、Wilkhahn)
岩佐知樹/コクヨ
1994年、千葉県佐倉市生まれ。2016年、首都大学東京(現:東京都立大学)修了。2016年、コクヨ入社。現在、同クリエイティブデザイン部 所属。オフィス、ショールーム、コワーキングスペース等の空間デザイン・ディレクションを手掛ける。主な受賞歴に2023年日本空間デザイン賞LongList、Sky Design Award入賞、Muse Design Award Gold、2022年iF Design Award入賞など。