森の静けさの中で光と風を感じてととのうサウナ
「森閑(しんかん)」とは、「深閑」とも書き、物音ひとつせず静まりかえっている様を表す。この「re:サウナ」では、音に着目し、全ての雑音を排除することで1人リラックスできるサウナ空間をつくることを試みた。区画壁を屋根裏まで伸ばし、全ての仕上げ材に凹凸を施して、さらに壁面の中には遮音材を入れることで音を極限まで最小化。そうして静けさを手に入れた空間に、自然の太陽光と「方向・強さ・色温度」が呼応する照明を用いることによって、自然をイメージさせる森の中の静寂を空間にデザインした。また、サウナで“ととのう”ために必要な風も、壁に当たったランダムな反射風を調整している。「re:サウナ」が、心と体の新たな再生体験を与えることを願っている。(吉田昌弘/KAMITOPEN)
「re:サウナ」
所在地:千葉県船橋市本町1-7-6 ドリーム船橋ビル 7階
オープン:2022年10月1日
設計:KAMITOPEN 吉田昌弘 キム ヒョンウク
床面積:337.61㎡
Photo:宮本啓介
【内外装仕様データ】
床:既存コンクリート+モルタル薄塗り+防塵クリア塗装
壁:PBt9+21(タイガースーパーハード/吉野石膏) 木毛セメント板t15貼りの上AEPグラテーション塗装
天井:木毛セメント板t15貼り
その他:凹み加工PB
吉田昌弘/KAMITOPEN
一級建築士。1977年大阪生まれ。2001年京都工芸繊維大学工芸学部(岸和郎ゼミ)卒業。2001年タカラスペースデザイン株式会社入社。2007年KAMITOPEN設立。2008年株式会社KAMITOPEN一級建築士事務所設立。