mokkado

老舗製薬会社の理念を感じる古民家のカフェ空間

 

「mokkado」は、富山県射水市を拠点にする創業75年の老舗製薬会社により企画されたCaféである。富山の伝統である置き薬の製造販売から始まり、現在では漢方薬を中心に様々な健康食品を取り扱う企業が運営するこの店では、漢方の考えをもとにしたチャイとかき氷の提供が行われる。空き家になってしまった本社創業者の生家である築100年以上の古民家を改修し、心身ともに健康的な生活を目指す同企業のコンセプトを実体験できる場を作ることが目的とされた。
内装デザインでは、「誰でも入りやすくオープンで自由な空気感を出すこと」「もともとここにあった材料を再構築して空間を創ることで新しい価値を生み出すこと」「この古民家が元々持っていた魅力を最大限まで引き出すこと」の3点を大きな柱として、自然と人が集まり交流が生まれていく居心地の良さがあり、尚且つこの土地の記憶や店のストーリーを空間自体が強く語る環境を目指した。建物の中心に土間のようなスペースと、床レベルの起伏で構成されたゾーニングの中にステップやベンチを設けることで、訪れるゲストの様々な時間の過ごし方を受け入れる豊かな雰囲気と、内と外が繋がった境目のない心地良い空間体験を演出。この古民家の床下にあった石材や木材を構成し、薬草を植え込んだアートを土間の中心に配置し、懐かしい記憶と店のストーリーを繋ぐシンボルとしている。また、土間を囲うように配置したロープパーティションには蔦植物を植え込み、この店の成長にあわせて異なる景色を楽しむことが出来る。訪れたゲストがふと喧騒から離れることで、自分自身のからだやこころを意識する一つのきっかけとなればと考えた。(青柳哲央/MUKU design studio

 

「mokkado」
所在地:富山県射水市黒河新2643-1
オープン:2024年8月2日
設計:MUKU design studio 青柳哲央 チェソヨン
家具デザイン、施工:GO江嵜倫史 麻嵩
植栽計画:緑尊 大久保慎一
床面積:153㎡
客席数:約30席
Photo:淺川 敏

 

【内外装仕様データ】
床:カラーモルタル薄塗り左官仕上げ
壁、天井:カラー石膏薄塗り左官仕上げ
家具・什器:解体木材 解体石材

 


青柳哲央/MUKU design studio
インテリアデザイナー。1981年、福岡県生まれ。2004年、武蔵野美術大学空間演出デザインコース卒。2005年、株式会社スーパーポテト入社。2015年、株式会社MUKU design studio設立。国内外のホテル、飲食店、物販店、住宅等多岐にわたる空間の設計に取り組んでいる。

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