渋谷の街と文化を表現した藍色の空間に立ち上がる鮨カウンター
国籍や年齢を問わず数えきれない人々が行き交い、新しいカルチャー、食、ファッション、音楽、様々な情報が日々流れ続ける、東京・渋谷。その街の中に立つ商業施設の一画、細長く横に伸びた壁面に、渋谷の情景を降り注ぐ滝に例えるように、ピタリと時が止まり、流れていた水が煌めく、刹那の瞬間を描いた。明治時代に来日したお雇い外国人が「ジャパン・ブルー」と称した深い海のような藍色が眼下に広がり、竈のように立ち上がったボリュームに突き刺さるかのような木の天板。江戸時代にカジュアルな食べ物として、屋台で提供された事から始まると言われる鮨。喧騒を掻き分け、多様な目的を持った人々が集い、そして、またこの場所から新たな渦が生まれることだろう。(長谷川裕也/FiG)
「立喰鮨かきだ」
所在地:東京都渋谷区渋谷2-24-12 スクランブルスクエア 2階
オープン:2024年9月13日
設計:FiG 長谷川裕也
照明設計:Filaments 吉岡政浩
ディスプレイ:FRAM flower studio
床面積:45.2㎡
カメラマン名:Wataru Kitamura(OSER / lien)
【内外装仕様データ】
床:既存モルタルの上コンクリートステイン塗布
壁:塗壁仕上げ アクリル棒吊り下げ 一部ビニルクロス貼り
天井:PB下地AEP
家具・什器:オーク材染色突き板貼り
長谷川裕也/FiG
1994年、大阪府生まれ。京都造形芸術大学環境デザイン学科を卒業後、2015年より株式会社グラマラスに6年間在籍、2021年にFiG(フィグ)設立。インテリア・家具・プロダクトと多岐に渡るデザイン、ディレクションを手掛ける。表層だけに囚われない、本質的なデザインから導き出される遊び心とオリジナリティ、そこから生まれる豊かさをコンセプトとしている。