AXCEL E’LEVER 鹿沼店

オーナーからの要望はヨーロッパのリゾートホテル。石をふんだんに使用した豪華なサロンにしたいとの依頼だった。敷地500坪の建坪150坪という建築からの巨大なヘアサロン。本来セット椅子の台数を確保することから始まるプランニングだが、セット椅子は16席のみ。いかに優雅な空間を演出するかを求められた。海外で買い付けた石は1,000㎡以上。送られてきたコンテナは4台にも及んだ。ライムストーンのアーチを潜りイエローのエントランスを抜けると、特殊塗装されたモルタル壁面が水に浸かっているかのような不思議空間が現れる。発色の良いブルーでリゾート地の青い海を連想させる。この空間は、ショップゾーンで商品が浮遊するような幻想的な演出を試みた。隣接するネイルブースへは、波打ち際のようにグラデーションで水のブルーは消えていき、リゾートの自然に囲まれた空間に変わる。階段を上がるとホテルのロビーをイメージしたレセプションゾーンへ。ヨーロッパを連想させるレース柄や手摺り、シャンデリアなど古典的なエレメントを使用しつつ、ライムストーンの壁面にイエローとピンクをバランス良く配置し、スタイリッシュでモダンな空間に仕上げた。セットブースは晩餐会が開かれるようなパーティールームをイメージし、ガラス面には贅沢の象徴イメージとしてマリーアントワネットを使用。規則的で重厚感のある大理石の壁がプライベート感を持たせると共に空間に躍動感を与えている。また、店内の中央を通る紫の絨毯をイメージした床(特殊塗装)は30mにもなる。豪華で賑やかなセットブースとは対照的に、少しずつ照度が落ち、4m以上ある天井までエージングされたフェイク扉と壁面のアートとシャンデリアは、中世ヨーロッパの歴史を感じさせる。フェイク扉にはナンバーが与えられ、ゲストルームのドアをイメージ。隙間から見え隠れするシャンプールームの壁面は幻想的な巨大なアートが浮かび上がる落ち着いた空間。リゾートホテルというストーリー性を持たせたこのサロンは美容室というカテゴリーを飛び越え『リゾートホテルで髪を切る』という新しいコンセプトのもと、優雅な時間の流れる最上級のヘアサロンが誕生した。(大谷浩二/ルーツオブスタイル、文責BAMBOO

 

  • AXCEL E’LEVER 鹿沼店」
  • 所在地:栃木県鹿沼市栄町2丁目22-1
  • オープン:201168
  • 設計:ルーツオブスタイル 大谷浩二
  • 床面積:495
  • photo:岩井祐人

 

 


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