「Atelier d’I」(アトリエ・ド・アイ)は、食のアーティスト市川知志シェフが客人を迎える食の工房=アトリエである。市川流“新しいフレンチを作り出す”ごとく、古きを大切にしつつ新しき空間を創ることをコンセプトに設計した。空間は工房の雰囲気を出すため、2カ所の壁面にこだわった。一つは、入り口横の個室からカウンター席まで連なる壁面。古材特有の重厚な穏やかさが、職人のような圧倒的存在感を醸し出す。それと同時に、フロアやカウンターなどの軽快さとのコントラストにより、互いが引き立て合っている。二つ目はソファ席の天井までの壁面。ここはアンティーク調の本革を使い、三色の面構成によるアーティスティックなデザインとした。入り口に配したキャンドルオブジェは、切り株の土台と幾重にもなる螺旋状のスティールとの組み合わせで、普遍的な“時の経過”を表現。また、くつろぎの静空間にやすらぎの動なる風をテラス席のグリーンとともに表している。(前田太郎/文責BAMBOO)
- 「Atelier d’I」
- 所在地:東京都港区白金5-15-5
- オープン:2011年3月
- 設計:前田太郎建築設計事務所・ベイリーフ
- 床面積:71㎡(バルコニー24㎡)
- photo:Nacasa & Partners
- Atelier d’I
- http://www.chez-tomo.com/
- 前田太郎建築設計事務所・ベイリーフ
- http://www.bayleaf-design.com
- Nacasa&Partners
- http://www.nacasa.co.jp/