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特殊板金加工技術で表現した布団張りと和紙

レンジフードのリーディングメーカー、富士工業から生まれた金属加工のスペシャリストチーム「栄作工房」は、逐次成形・自在成形・微細加工という三つの加工技術と板金設計を掛け合わせることで、金属でイメージをカタチにする職能集団だ。
京都の築100年を超える長屋を改装した「京やきにく弘 先斗町別邸」の壁面には、この技術を使った特殊アルミパネルで布団張りや和紙が表現されている。

「京やきにく弘 先斗町別邸」デザインコンセプト
京都五花街の一つである、江戸時代からの歴史的景観風情が残る先斗町。その界わいの中に建っている築100年以上の長屋を改修し、高級焼肉店「京やきにく弘 先斗町別邸」としてオープンしたいという意向を受けてスタートしたプロジェクト。
外観は既存の駒寄や出格子を残し、2階には日本の伝統であるすだれを掛けて京都独特の「連なる街並み」を表現した。築100年以上の建物は内部を解体すると今にも倒壊しそうな雰囲気だったので、躯体の構造を補強するのにかなりの時間を要した。
インテリアは、外観とは対照的に和らいだ雰囲気だけが単調的になることなく硬質なものと融合させたかったので、メインとなる一部の壁面には布団張りを表現したものや和紙を表現したものを、栄作工房の転写技術を発揮していただき、特殊アルミパネルで製作した。またテーブルの天板や2階の廊下と各々の客室との間仕切りには、豪華さや圧迫感を感じさせないガラスデザインを着物デザイナー、斉藤上太郎氏とコラボし、先斗町のシンボルマークである「千鳥」をモチーフに、無機質の中にも木の年輪の温かさを感じる表現とした。(宮上浩幸/(株)オペックス建築事務所)

製品名:特殊アルミパネル
メーカー:栄作工房/富士工業 https://www.fujioh.com/sptech/
施工店舗:「京やきにく弘 先斗町別邸」(京都市中京区)
設計:オペックス建築事務所 http://www.opexs.com/
ガラスデザイン:三才 斉藤上太郎
Photo:シーズコーポレーション 中尾好宏

 

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