京都の山深い地にある花背には、摘草料理で知られる料亭旅館、美山荘がある。ここ「石楠花」(しゃくなげ)は、その四代目当主・中東久人氏による料理が楽しめる店となっている。キッチンは、料理人が舞台に立つような位置に配置され、そのキッチンとカウンター天板の段差の立ち上がり部分を曲面とし、緩やかに客と料理人を繋いでいる。その曲面は天井へと連続し、そのまま外部のテラス、外部の町並みへと連続するよう構成した。また、風と光を感じながら銀座の街並みを見渡せる月見台や、小さな茶室をイメージした個室など、銀座から京都・花背を想起し、京都への思いを馳せることの出来る空間に仕上がった。(文・福本祐樹/文責BAMBOO)
- 「石楠花」
- ■所在地:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越12階
- ■床面積:101㎡(うちテラス席85㎡)
- ■設計:FHAMS 福本祐樹 家次 宏
- ■撮影:ナカサ&パートナーズ
- ナカサ&パートナーズ
- http://www.nacasa.co.jp/
上/京町家を思わせるエントランス
下/茶室から着想した個室