自然の素材にこだわった製品を提案するコスメブランド「SHIRO」のショップデザイン。玉川髙島屋S.C内の共用通路に面した間口19m、奥行き1.3mの細長い区画となっている。自然が豊かでのびやかな街の様子をイメージし、開放的な心地良さを感じる空間を目指した。広い間口を生かし、共用通路に沿って1つの大きな白いカウンターを配置。ディスプレイスペース・商品棚・レジ機能・収納をカウンター内に集約し、その土台をセットバックさせることにより、シンプルで浮遊感のあるデザインとした。3.7mのキャンチレバーとなっている端部は先端を薄く仕上げることにより、のびやかな印象を強調している。カウンターと壁面には、ふたつの異なる天然素材をベースとした左官材を使用し、それぞれ異なる質感をつくり出している。壁面は半乾きの状態で骨材を掻き落とすことにより凹凸をもたらし、繊細な陰影が特徴的な仕上げとした。カウンターは手作業で丁寧に磨き、なめらかな質感に仕上げることで、製品のシンプルなデザインをより引き立てている。自然の恵みをそのまま製品に活かすSHIROのものづくりへの想いを空間的に表現した。(鬼木孝一郎/ODS)
「SHIRO 玉川髙島屋S・C店」
所在地:東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋S・C 南館1階
オープン:2020年7月1日
設計:ODS 鬼木孝一郎 藤木景介
床面積:30.9㎡
客席数:2席(カウンセリング席)
Photo:太田拓実
【内外装仕様データ】
床:モルタル下地塗り床仕上げ(ポリーブル 特注色フラット仕上げ/原田左官)
壁:PBt12.5+9.5下地左官仕上げ(ユニプラルSL プランク石調仕上げ/GOETHE HOUSE)
天井:PBt12.5下地EP塗装
家具・什器:木下地(一部鉄骨組み)左官仕上げ(MORART MT0031803A・フッコー/GOETHE HOUSE) 棚/St角パイプ電気亜鉛めっき処理 木下地ホワイトオーク突き板