時代の変化に伴い、鮨屋の伝統的な緊張感ある白木で明るい空間ではなく、大正浪漫を彷彿させる桜材の温かみある色づかいによるリラックスと色っぽさをミックス、現代にアジャストさせた空間(令和浪漫)をデザインした。店内には『伊藤若冲の群魚図をすしネタの魚に置き換えたら』というリクエストをもとに水墨画の作家さんが制作したアートの他、人間国宝による備前焼の花刺しにロートアイアンの椿の一輪挿しが空間のテーマと花言葉でもある『謙虚な美徳』を表現。アートの質が銀座のクラス感に共鳴し、心地よい緊張感を生み出す空間に仕上がっている。(佐野岳士/SWeeT)
「銀座 すし天」
所在地:東京都中央区銀座6-3-12 数寄屋ビル1階
オープン:2020年12月21日
設計:SWeeT 佐野岳士
床面積:73㎡
客席数:22席
Photo:ナカサ&パートナーズ
【内外装仕様データ】
床:モルタル下地六角レンガ貼り(ダイチ茜色/ダイナワン)
壁:PBt12下地左官材(ジョリパット/アイカ工業)
天井:PBt12下地EP塗装3分ツヤ
家具:ワイチェア(カール・ハンセン&サン)+本革クッション(ザ・ヴィンテージハウス)
什器:アメリカンチェリー天日干しウレタン仕上げ(大和ツキ板産業)
佐野岳士/SWeeT
デザイナー。現場監督から飲食店経営会社の企画・設計部を経て、2003年に有限会社SWeeT設立。国内外のF&B(飲食店)デザインを中心に活動中。