東京・代々木上原にある、およそ築60年の民家を改装した「などや代々木上原」にて、建築家・藤森照信氏がデザインした「Fuji Stool(フジスツール)」の展覧会が開催される。
「Fuji stool」は、オーストリア・ウィーンから80kmに位置する人口800人ほどの小さな村 Raiding (ライディング)で2011年に実施された「Raiding Project(ライディング プロジェクト/日本を代表する10組の建築家が、この村のために小型・未来的・多機能的な建築を提案したプロジェクト)」において、デザインされたもの。藤森氏は、同プロジェクト内で、アフリカから年に一度、現地の営巣地に渡ってくるコウノトリをインスピレーション源とする「鸛庵(こうのとりあん)/Storkhouse」を設計。その際、伝統的な藁葺き屋根などの日本様式を取り入れ、屋根を突き抜けた13mの柱の上にコウノトリの巣を設けた。その空間に合わせて開発されたのが、地元産の木材(オーストリアンオーク)を使って木工職人が手作りで製作する「Fuji stool」。職人の手技から生まれるプロポーションには、木の性質や個性が活かされた不完全な美しさがあり、環境に応じて経年変化していくという。
本展では、「鸛庵」を取り巻く景観や風土をイメージし、会場の庭と内部空間を使って世界観を表現。また会場内では、三重県の家具職人・谷藤重美氏が日本産のクリとケヤキを使って99点限定で製作したという、日本国内向けのファーストエディションも先行販売される。
「Fuji Stool designed by Terunobu Fujimori for the Storkhouse」
会期: 2021年10月8日(金)〜 11月14日(日)
時間:11:00〜18:00(金・土・日・祝のみオープン)
会場:「などや代々木上原」/東京都渋谷区西原3-19-3
https://www.nadoya.jp/