「星源」は、北京で有名なメディカルビューティーブランドです。今回私たちは、北京市内新天地にある店舗の改装を依頼され、Flow、Vivid、Softをテーマにデザインを構築しました。
“Flow“
千の人に千の顔、美しさは人によって異なります。私たちは、美を単一に解釈するのではなく、流動的で変化する空間における美しさと豊かさを表現したいと考えました。限られたスペースで、いかに完璧で洗練されたプロフェッショナルなサービスを提供するか、これが私たちが最初に考えた事です。この考えに基づいて、異なる機能ごとのブロックを直列に接続するコヒーレント線形コリドーの設計から着手、空間の効率的な使用と動線の利便性を確保しました。また、さまざまな設計手法を使った廊下部分の演出によって空間をさらに流動的に、線形廊下にすることによって多様で豊かな体験をもたらすことを目指しました。
フロントエリアの厚い彫刻的なマイクロセメントの湾曲した壁は、柔らかく透明な長虹ガラスの湾曲した壁と対照的であり、互いに反響しています。フロントエリアにあるレセプション、スタッフルーム、テストルーム、シャンプーエリアなどの機能エエリアに対して、トリートメント指向が問われるバックエリアは、プライバシーを尊重。非対称な形状を成す開口部が、プライバシーレベルが異なる2つのエリアを分ける境界のシンボルとして機能しています。廊下空間の視覚レベルを豊かにすると同時に、これから施術を受けようとしているゲストに心理的なヒントと安心感をもたらします。
“Vivid”
現代の美容医療では、“他人の美しさを模倣する”から、“自分の美しさを向上させる”へと、より高いレベルで認知されるようになり、人々が自分自身を大切にする生き方そのものである、とされています。メディカルエステクリニックに来院するゲストは、医療技術で繊細な顔を手に入れたいと考えています。さらに重要なのは、その美しさを自然に表現する必要があることです。私たちは、空間の表現力を通して、いらっしゃるすべてのゲストに美の理解を伝えることを楽しみにしています。誇張された形や豪華な素材の積み重ねは、私たちが考えるラグジュアリーな空間ではありません。
私たちは、体験するゲストが、この空間の自然と心地よさを感じ、美しさを求める視線を自分自身に戻し、リラックスした状態で美しさを一変させてくださることを願っています。繊細で質感のある素材と、空間自体の絶妙でクリーンな質感、そして空間全体に活力を植え付けることで、快適で暖かく、信頼感のある全体的な雰囲気を作り出しています。
“Soft”
シリアスになり過ぎず、プロフェッショナルな美容クリニックを信頼するにはどうすればよいでしょうか。私たちは、流れるような固い壁に透明なU字型ガラスと長虹ガラスを入れ、ガラス越しに入る淡い光が空間全体をやわらかく演出するようにしました。軽やかなシャンデリアと湾曲した壁のディテールは、空間をより柔らかく包みこみ、人間の感情とのより繊細なつながりを生み出します。
(謎舍設計工作室)
「星源医美」
所在地:中国北京市東城区東長安街1号東方広場(Beijing Oriental Plaza)
オープン:2021年7月
設計:謎舍設計工作室 田少寅 曾煜娴 李然 黄凯峰 张青
装飾デザイン:曾煜婷
照明:单体红
面積:230㎡
Photo:広松美佐江、宋昱明(北京・锐景摄影)
【内外装仕様データ】
床:既存利用
壁:既存下地壁面ブロック(本土创造) ススレート貼り(德赛斯)
天井:既存利用