FABRIC TOKYO渋谷モディ店は、”All Inclusive”をテーマに掲げ、性別や生まれ持った身体的特徴などに関係なく誰もがありのままである事を肯定し、それぞれが着たいものを提供する、誰も排除することのない包括的な店舗を実現すべく設計をスタートしました。プロジェクトには、パラアイスホッケー銀メダリストの上原大祐氏が監修に参加し、当事者と「共に作る」ことを目指しました。
誰もがありのままで良い、というインクルーシブな在り方に着目し、内装デザインは「インクルーシブ、包括的、ありのまま」等の事柄から着想を得た内容となっています。どんな性別も受け入れてくれる「何色でもない色」をクロメートメッキ処理金物プレートで表現したり、建築もありのままでいいという考えでビルの躯体・耐震ブレースを意匠として現しにしました。床に敷いている金物は普段内装建材では「下地」として多く利用されるものですが、「下地」もそのままの姿で意匠になり得るので、床デザインとして採用しました。また、家具造作の素材の一部には、ペットボトルや廃棄布からの再生建材を採用。この他、バリアフリー視点での設計も意識しており、店内通路幅の充実、手すり、スロープ、フィッティング内の天井ミラー+照明調光システムといった充実したバリアフリー対応造作を整えました。
これらの設計意図や各素材が相まって、“Inclusive”を体現する店舗となっていくことを願っています。(浦田晶平/Old Kan)
「FABRIC TOKYO 渋谷モディ店」
所在地:東京都渋谷区神南1-21−3 渋谷MODI 4階
オープン:2022年3月17日
設計:Old Kan 浦田晶平
照明計画:大光電機 荒井 一
意匠照明:BP.
アートワーク:FABRIC TOKYO
施工:エイムクリエイツ
床面積:69㎡
Photo:TORULABO 上甲尚弘
【内外装仕様データ】
床:合板下地フローリング敷きヴィレッチオーク特注色(ティンバークルー) 一部SUS.PL曲げバイブレーション仕上げ フィッティングルーム/合板下地パネル貼り(SOLIDO typeM_FLAT セメント SMN85G/ケイミュー)
壁:PB下地内装材t6ベース(ダイライト/大建工業)オーク材突き板練付パネル目透かし貼り(ティンバークルー) 一部ST.PLt3クロメートメッキ処理(Ace’s) 一部織りクロス貼り(インターファブリックス)
天井:スケルトン天井 一部PBt9.5下地指定色AEP塗装 フィッティング/ケイカル板下地ミラーシートパネル貼り(3M)
什器・家具:島什器/木工下地パネル材貼り(NUNOUS SKIN ベージュ/セイショク) ハンガーラック什器/ベース土台・木工下地パネル材貼り(NUNOUS SKIN ベージュ/セイショク)+スチール丸パイプ指定色メラ焼 ベンチソファ/木工下地ウレタンの上指定ファブリック(NEAT) ガラスパーティション/STフレーム指定シート貼り(ベルビアン) FFE、造作(アダル、エイムクリエイツ)
その他:発光サイン/ネオン風サイン(発研セイコー) サイネージモニター(ブリーズビジョン) 植栽(グリーンディスプレイ)
浦田晶平/Old Kan
インテリアデザイナー。1987年北海道札幌市生まれ。2011年〜内装設計事務所勤務後、2014年〜2020年、乃村工藝社 A.N.D.にて小坂竜氏に師事。2020年Old Kan設立。飲食や物販店舗、ブライダル施設を中心に、幅広いジャンルのデザインを手がける。日本空間デザイン賞2020 ホスピタリティ部門金賞、International Property award 2018、Andrew Martin Design Award 2015,2017、APIDA 2016(香港) 入選、日本空間デザイン賞2016 入選、ディスプレイ産業賞2016 奨励賞、JCD 2013食空間部門 BEST100など、受賞多数。