大林組とオーストラリアのBuilt Pty Ltd社との共同企業体による「アトラシアン・セントラル」の新築工事がシドニー市にて始まった。完成すれば、木造ハイブリッド構造として世界最高となる高さ182m(地上39階建て)の建築物となる。
「アトラシアン・セントラル」は、オフィス、宿泊および店舗エリアを含む複合施設となり、7階から上階が鉄骨とCLT(Cross Laminated Timber/クロス・ラミネイティド・ティンバー=板の層を各層で互いに直交するように積層接着した厚型パネルのこと。直交集成板とも言う)を採用した木造ハイブリッド構造。シドニー市のイノベーションと技術の街区「Tech Central」を象徴するビルとなる。
また、同ビルの設計は「LEED」や「WELL」などのグリーンビルディング認証で最高レベルの認証を取得する仕様となり、建設中に排出されるCO2については、通常の50%以下に抑制することを目標とする。完成後は100%再生可能エネルギーでの稼働を目指す。
地上の構造部材を全て木材とした高層純木造耐火建築「Port Plus®」を建設するなど、建物の木造・木質化を積極的に採用し、循環型資源である木材利用の拡大、促進による持続可能な社会の実現に取り組んできた大林組。純木造建築で得た同社の知見を木造ハイブリッド構造に活かすことで、さらなる木造建築の普及や、温室効果ガスの削減および快適な生活環境の提供が可能となり、カーボンニュートラルやウェルビーイングなどの社会課題の解決にも貢献していくという。
「アトラシアン・セントラル」新築工事」
所在地:オーストラリア・シドニー市
発注者:Dexus
設計者:SHoP Architects社(米国)、BVN Architecture Pty Ltd社(豪州)ほか
工期:2022年8月~2026年
JV構成会社:Built Pty Ltd、大林組
延床面積:約7万5,000m²
敷地面積:約3,500m²
構造:RC造(地下~7階)、S造・木造(7階以上)
階数:地上39階
高さ:182m
用途:事務所(高層部)、宿泊・店舗施設(低層部)