CRAFSTO

ブランドのレザーへの思いが詰まったマテリアル

革製品の製造販売を行うブランド「CRAFSTO」のショップ兼工房のインテリアデザイン。古くから革製品の問屋が多く集まる浅草橋駅近くに位置する建物の1、2階の改装計画である。「CRAFSTO」は天然素材由来のヴィーガンレザーを使用する等、環境に配慮した製品を積極的に生み出している。その思いをインテリアデザインとして表現できないかと考えた。
1階にショップ、2階に工房を設け、もともとあった吹き抜けを介して緩やかな繋がりを感じる計画とした。1階の陳列棚の背面壁のために、破棄予定となっていたレザーの端材を再利用したオリジナルの左官仕上げを開発。5㎜角に裁断したレザーと左官材を混ぜたものを壁面に塗りつけ、硬化する前に表面の左官材を拭き取ることで、レザーの模様が特徴的に現れる仕上げとした。扉の取手はサボテンからつくられたヴィーガンレザーを輪っか状に固定し、店舗に入る際にその肌触りの良さを体験できるものとなっている。ベンチや柱の仕上げにもヴィーガンレザーを使用し、空間全体でブランドの世界観を体感できる仕掛けとした。(鬼木孝一郎/ODS

 

「CRAFSTO」
所在地:東京都台東区浅草橋1-8-6 1、2階
オープン:2022年5月
設計:ODS 鬼木孝一郎 藤木景介 加藤葉月
面積:90.9㎡
Photo:太田拓実

【内外装仕様データ】
床:既存コンクリート床の上防塵塗装仕上げ フローリング貼り(ウォールナットフローリングW90/アイオーシー
壁:左官仕上げ(レザー入り特殊左官/GOETHE HOUSE) 有孔ボード貼り塗装仕上げウォールナット色合わせ
天井:既存RC躯体あらわし
家具・什器:平台、カウンター什器/木工下地左官仕上げ(MORART MT04/GOETHE HOUSE) ベンチ/木工下地左官仕上げ(Unipral ARTE 特注色フラット仕上げ/GOETHE HOUSE) エントラン建具把手、ベンチ座面、柱巻き仕上げ(サボテンレザー)


鬼木孝一郎/ODS
一級建築士、デザイナー。1977年東京都生まれ。少年時代を英国で過ごし、早稲田大学にて建築を学んだ後、組織設計事務所の日建設計に勤務。その後、デザインオフィスnendoに移り、10年間に渡りチーフディレクターとして国内外の空間デザインを手がける。2015年に独立し、鬼木デザインスタジオを設立。 現在、建築・インテリア・展示会の空間デザインを中心に多方面にて活動している。一級建築士。International Design Awards 金賞(2020)、Sky Design Awards 金賞(2020)、日本空間デザイン賞銅賞(2020)等、受賞歴多数。 2019年に銀座のギャラリー「THE GINZA SPACE」にて個展「CORD/CODE」を開催。

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