下町の空気感と一体化する未来型ホテル
「ONE@Tokyo」は、東京スカイツリーの足元に建つ新しいタイプのシティホテルです。押上はもともと、軽工業を中心とする活気ある下町でした。押出しセメント板と木の板を組み合わせたファサードは、町工場の立ち並ぶヒューマンでブルータルな下町を想起させ、現しの天井と構造用合板を組み合わせたインテリアは、従来のシティホテルの「お上品」なイメージにかわる、下町的な空気感を生み出しています。
1階は、レセプション、レストラン、バーが、ひとつの古材でできたカウンターによってインテグレートされ、大きな建具を開放すれば、前面の路地とこのロビーは一体の空間となります。町に開かれ、コミュニティとひとつになる未来型ホテルです。(隈 研吾)
「ONE@Tokyo」
所在地:東京都墨田区押上1-19-3
オープン:2017年7月28日
リブランドオープン:2022年11月1日
設計:隈研吾建築都市設計事務所
床面積:約3,741.1㎡
客席数:142室
photo:Keishin Horikoshi / SS
隈 研吾/隈研吾建築都市設計事務所
1954年生。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。30を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。主な著書に『全仕事』(大和書房)、『点・線・面』(岩波書店)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、他多数。