タロットのモチーフが散りばめられた森の中のツリーハウス
東京都浅草橋にある「東京タロット美術館」の運営するヴィーガンカフェ「café Tarot」。美術館の来客のみならず、地域に密着した形で受け入れられるカフェを目指した。「タロット」や「占い」といったイメージをあえて連想させないよう、より軽く、「境界を分けないインテリア=融合する空間」をテーマに、室内と屋外の融合する森の中で見つけたツリーハウスのように、自然の中にいる解放感と家の中の心地良さが感じられるよう配慮した。2階へ上がる階段を通じて「外」から「内」への移動を感じられるるよう、質感、仕上げ方法を変えていき、木漏れ日を感じるより柔らかい空間となるよう間接照明で演出している。また、タロットのモチーフである4つのスート(シンボル)、「金貨」「剣」「杖」「杯」を什器の一部として盛り込み、四葉のクローバーのオブジェが店内に配されるなど、気づく人には分かる遊び心を取り入れた空間を表現した。(ルビオ岩崎敬子/ルビオ岩崎デザイン事務所)
「CAFÉ Tarot(カフェタロー)」
所在地:東京都台東区浅草橋1-27-3
オープン:2022年10月2日
設計:ルビオ岩崎デザイン事務所 ルビオ岩崎敬子
床面積:55.7㎡
客席数:19席
Photo:佐藤振一
【内外装仕様データ】
床:PB下地モルタル洗い出し仕上げ(ユニプラルHY+/ゲーテハウス) 無垢杉板貼り
壁:PB下地地層風左官仕上げ(ユニプラルHY+/ゲーテハウス) EP
天井:PB下地EP
家具・什器:突板ウレタン塗装 合板下地左官仕上げ 鍛鉄装飾・焼付塗装仕上げ
ルビオ岩崎敬子/ルビオ岩崎デザイン事務所
株式会社ルビオ岩崎デザイン事務所 代表。武蔵野美術大学油絵学科卒後、工房に入り鍛金技術を学ぶ。商業施設の装飾什器のデザインや制作の経験を経て空間デザイン、プロダクトデザインなどに携わる。2010年より10年間、職人・アーティストによる展覧会企画を継続的に主催。現在カフェをはじめクリニックや物販店など商業施設や医療施設をメインにCIデザイン含めトータルな空間デザインを手がけている。