空港を行き交う人を惹きつける森のような本屋

上海虹橋国際空港T2ターミナルにオープンした「RELAY book shop」の旗艦店。空港に突如として現れた森林をテーマに、木材をふんだんに使用したアイキャッチな空間とした。無機質なイメージの空港の環境とは明らかな対比を生み、際立った存在感と木材のもつ温かい印象につられて人が無意識にも誘い込まれるような店を目指した。店内には乱立した木の柱の間に什器が並び、天井には柱を繋ぐ木の梁が5Mの高さまで重なっている。またレイアウトをランダムに構成することで余剰スペースを作り、そこにベンチやテーブル席を設けている。このスペースに人が自然と集まり、読書や休憩、仕事等自由に使うことができる。新たな本に出合うワクワク感や、自然の中で本を読むときの清々しい気分のような心地よい感情を、空間のデザインを通じて高められるのではないかと考えた。（青柳哲央／MUKU design studio）

「RELAY Book Flagship Store」
所在地：中国上海虹橋国際空港T2ターミナル
オープン：2023年2月1日
設計：MUKU design studio　青柳哲央　チェソヨン
床面積：380㎡
Photo：Cui Ming

【内外装仕様データ】
床：石目調塩ビタイルパターン貼り
壁：赤ラッカー全艶ピアノ塗装　松無垢材染色ナチュラルブラウンカラー
天井：松無垢材染色ナチュラルブラウンカラー
家具・什器：人工大理石　オーク突き板ウレタン仕上げ

青柳哲央／MUKU design studio
インテリアデザイナー。1981年、福岡県生まれ。2004年、武蔵野美術大学空間演出デザインコース卒。2005年、株式会社スーパーポテト入社。2015年、株式会社MUKU design studio設立。国内外のホテル、飲食店、物販店、住宅等多岐にわたる空間の設計に取り組んでいる。