富山湾の静けさと深さを“藍”で表現
日本三代深湾の一つで、その深いブルーが“藍瓶”と称される富山湾や力強くも伸びやかな立山の自然、そして伝統を感じられる空間を目指した鮨店。デザインは、深く揺らめくブルーの表現と立山の澄んだ空気に着想を得て、空間全体に静寂さと広がりを与えるよう意識しながら、それぞれのテクスチャにこだわった。ブルーには藍を使用し、湾の静けさと深さを表現。スタンド席のテーブルは、元々この場所で使われていた工事の際に抜き替えた柱を利用し、石板は工事中に土間から出土した大丸石を切断、再利用している。元々そこにあった物の中に新たな要素を寄り添わせる、新しいストーリーが生まれ、訪れる人の心に残る場所になることを期待している。(森 紀人/PELAGO DESIGN)
「立ち喰い鮨 人人」
所在地:富山県富山市一番町3-8
オープン:2023年6月28日
設計:PELAGO DESIGN 森 紀人
協力:藍左官/reterace. 石材加工/中島石材店 サイン/看板工房イスト
床面積:120㎡
客席数:スタンディング12~14席 テーブル16席
Photo:tetoru 山本哲郎 https://tetoru.com/
【内外装仕様データ】
床:土間墨調色モルタル金鏝仕上げ
壁:PBt12下地左官仕上げ 杉板貼りの上保護塗料塗布
天井:木下地保護塗料塗布
その他:カウンター/左官仕上げ ハイテーブル/脚・既存柱加工再利用 天板・土間工事で出土した石を加工 トイレ手洗/メラミン化粧板
森 紀人/PELAGO DESIGN
インテリアデザイナー。1988年生まれ。金沢工業大学卒業。商業施設(美容系、物販、飲食など)を主に設計事務所勤務を経て、PELAGO DESIGN開設。商空間、住空間関わるビジュアルデザインを主に幅広く活動中。