光、土、植物の素朴な関係性を表現した観葉植物店
観葉植物店「VOLTAR(ヴォルタール)」では、じっくりと植物と向き合える内包的な空間をつくるため、日光や赤土と植物の自然の関係性を感じる素朴さにテーマをしぼっている。完全なシンメトリーではないレイアウト、ある程度偶然に任せた仕上げの表情など、空間を印象付ける選択以外には極力手を加えず、装飾を省いた1色で空間を包み込むことで、自然に近い秩序を商空間に落とし込もうと考えた。商品である植物は、実際に生きているものであり、主役となるべきものであるがゆえに、空間はそれに寄り添いながら外部環境の延長として商品を包み込むように設計。自然を想起させる地面や岩肌を人工的につくるという解釈ではなく、それらを抽象化し、あくまで人工的な箱と商品の関係性に置き換える。そういった考え方で空間を構成することが、この場所に必要な素直な表現だと思いデザインした。(三宅慶輔/tyto)
「VOLTAR」
所在地:大阪市阿倍野区三明町2-11-22 シティハイツ阿倍野1階
オープン:2023年3月6日
設計:tyto 三宅慶輔
床面積:45㎡
Photo:貝出翔太朗
【内外装仕様データ】
床:モルタル金鏝仕上げ カラークリア塗装(アクアカラー/アシュフォードジャパン)
壁・天井:PB下地左官仕上げ(ジョリパット/アイカ工業)
その他:カウンター/足場板クリア塗装 ファサード金物/SUS焼き付け塗装
三宅慶輔/tyto
1984年、京都生まれ。京都工芸繊維大学卒業。atelier juseを経て、2020年にtyto設立。