内外に連続するルーバーが包み込む円形空間
「健康に、プラスの価値を」をコンセプトに開業されたクリニック。多岐にわたる診療科目を内科・健診と美容の大きく2つのカテゴリーに分け、相談事の異なる患者様の動線を明快にし、オペレーションを円滑に行うと共に、患者様のプライバシーを確保できるよう計画した。共用部に面する約25mの壁面には、クリニックからの情報発信を行うため大きなモニターを設置し、リズミカルに配置された木ルーバーを壁面材料として採用。木ルーバーは、そのまま室内につながり、総合待合に続くことでスムーズに患者様をクリニック内へいざなう。また、円形の総合待合において、360度を木質の温かさや優しさで包み込み、心地よくリラックスして過ごすことのできる空間演出の役割も担っている。円形の総合待合のルーバーに開け放たれた開口をくぐると、内科・健診と美容の2方向へ分かれる。内科・健診エリアは、清潔感のある白をベースとしながら少し木質の色合いを入れ温かい場所とし、美容エリアは、硬質でラグジュアリーなマテリアルを採用し健康や美意識の高い方へ訴求する空間とした。内外を連続する木ルーバーが、クリニックの中心である待合を360度包み込み、リラックスして身体の不安や悩み事をドクターに相談できる場所となった。(PROCESS5 DESIGN)
「大阪グランドクリニック」
所在地:大阪市北区角田町7-10 ヘップナビオ6階
オープン:2023年8月7日
設計:PROCESS5 DESIGN 武田憲昭 吉澤生馬 山根光星 芳賀太綺 菅原楓雅
設備設計:ユーアイテック 井上正文 竹下睦子
施工:アルフレンテ
照明計画:コイズミ照明 坂本拓也
床面積:357.9㎡
Photo:YFT 山田圭司郎
【内外装仕様データ】
床:既存土間レベラーの上塩ビタイル貼り(WD-1032、IS-1009、IS-1009/サンゲツ)
壁:FGボードt6+t6下地イタリアンスタッコ(特注色/スタッコプラス) PBt12.5下地タイル貼り(PRW-1575-001/マリスト) FGボードt6+t6下地粘着剤付化粧フィルム貼り(TC-4578/サンゲツ) PBt12.5下地ビニルクロス貼り(SLP-295/シンコール)
天井:PBt9.5下地AEP(指定色)
武田憲昭 吉澤生馬 山根光星 芳賀太綺 菅原楓雅/PROCESS5 DESIGN
2006年、武田憲昭がPROCESS5 DESIGN OFFICEを設立。2009年、吉澤生馬との共同設立によりPROCESS5 DESIGNへと改名。旅館やホテルといった宿泊施設、ブライダル、店舗、オフィス、住宅まで幅広い空間の設計を手掛ける。