発祥の地のストーリーを感じさせる古民家の移築材
広島を拠点とする株式会社マサーントが手掛ける焼肉店の1号店。広島神石高原町の神石牛を扱う焼肉店で、カウンター8席、半個室、個室というコンパクトな店舗ですが、コンセプトに沿って細部までこだわりを持って設計しました。店内は「古民家のモダニズム」をデザインコンセプトに設定し、どこか懐かしく愛着の湧く空気感を創造しています。西麻布という立地に相応しい上質でモダンな要素も空間に落とし込むために、古材に対比するような上質な光で空間を包みました。カウンター上部にある欄間や、半個室のアクセントとなる障子パネルは、クライアントが所有する広島神石高原町のとある古民家からの移築材で、その土地を起点とする焼肉店というストーリーを表現しながら、デザインとしても良い存在感を生み出しています。(浦田晶平/Old Kan)
「焼肉神石 西麻布店」
所在地:東京都港区西麻布1-12-8
オープン:2024年4月11日
設計:Old Kan 浦田晶平
照明計画:大光電機 荒井 一
家具:アダル 堀 遥乃介
施工:HENDERSON 佐藤裕和
植栽:グリーンディスプレイ
床面積:75.4㎡
客席数:カウンター8席 半個室8席 個室6席
Photo:ナカサ&パートナーズ 河野政人
【内外装仕様データ】
床:タイル貼り(平田タイル) 塩ビフローリング(川島織物セルコン) 一部床埋込ライト(マイクロアップライト/トキコーポレーション)
壁:PB下地左官材仕上げ(ジョリパット/アイカ工業) 指定色AEP塗装仕上げ 指定古材間柱(東京木材企業) 一部移築材欄間取付 カウンター腰/銅板艶あり(HENDERSON)
天井:PB下地パイン古材指定ピッチ貼り(東京木材企業) 一部折り上げ内パイン古材グリット貼り(東京木材企業)+移築材 竹竿縁取付
その他:造作什器/一部パイン古材(東京木材企業)+人工大理石(HI-MACS) 意匠照明(andon-025/タイムアンドスタイル、PHアーティチョーク/ルイスポールセン ※施主支給品、Rituals 2 Pendant/FOSCARINI)
浦田晶平/Old Kan
インテリアデザイナー。1987年北海道札幌市生まれ。2011年〜内装設計事務所勤務後、2014年〜2020年、乃村工藝社 A.N.D.にて小坂竜氏に師事。2020年Old Kan設立。飲食や物販店舗、ブライダル施設を中心に、幅広いジャンルのデザインを手がける。IF DESIGN AWARD 2023 “Winner”、KUKAN DESIGN AWRAD 2022 “Short list”、SKY DESIGN AWRAD 2021,2022 “Silver”、KUKAN DESIGN AWRAD 2020 “Gold”、Display Industry Encouragement Award 2016,2020、ASIA PACIFIC PROPERTY AWARDS 2018,2019、Andrew Martin Design Award 2015,2017、APIDA(Asia Pacific Interior Design Awards) 2016、IDEA / Design Excellence Awards 2016など、受賞多数。