NOSE SHOP 福岡


香水の香りを視覚化する什器とマテリアル

 

ニッチフレグランスを専門に取り扱う「NOSE SHOP 福岡」のインテリアデザイン。NOSE SHOP代表の中森友喜氏がパーソナリティーを務めるポッドキャスト「NOSE knows」が「香りの言語化」に挑んでいることをインスピレーションに、店舗空間における「香りの視覚化」に挑みました。
「香り」が季節や天気、さらには体調や気分よって、異なる印象のものとなることから、その印象を視覚化する手法として、マテリアルに意識を向けました。香水を構成するマテリアルの多くは既知のものでありながらも、その組み合わせよって印象的なものとなることから、インテリアにおいても通常は下地として用いられるような既知のマテリアルの組み合わせで新鮮な印象を与えられないかと考えました。
ディスプレイ什器の天板は、香水のトップノート、ボディノート、ベースノートという複層的な構成に倣い、複数のマテリアルを積層しました。これにより、見る角度によって反射やゆらぎのようなものを感じさせることを目指しています。什器や柱棚の側面には、セメント板を用いて、ニュアンスのある表情でありながら、魅力的な香水を引き立てる背景となるよう考えました。
また、福岡初出店となることからも、都会でありながら、水辺や自然が身近にある土地の魅力も内包出来ないかと考えました。質感は都会的でありながら、水面を連想させる天板と、山や岩を連想させる形状といったように、什器の構成に一つ一つ落とし込んでいきました。矩形の角を落としたような形状は、周遊性を高め、店舗での滞在時間を永く豊かなものにしてくれます。(小栗誠詞/イド

 

「NOSE SHOP 福岡」
所在地:福岡県福岡市中央区天神2-5-35 岩田屋本店 新館1階
オープン:2024年2月28日
設計:イド 小栗誠詞 岩瀬駿也
施工:ジェーピーディーエイチ 若林勝也 水谷洋輔
照明:DNライティング 宇藤山肇
床面積:23.2㎡
Photo:山内紀人

 

【内外装仕様データ】
床・天井:既存利用
壁:LGS組みPBt12.5下地セメント板貼り仕上げ(フレキシブルシート/ノザワ
その他:什器/腰・木下地セメント板貼り仕上げ(フレキシブルシート/ノザワ) 天板・木下地ミラーシート、ポリカーボネート、強化クリアガラス積層設置 間接照明/LEDラインライト(DNライティング

 


小栗誠詞/イド
インテリアデザイナー。1983年愛知県生まれ。2008年多摩美術大学大学院修了。acrylic、nendoを経て、2013年に株式会社イドを設立。インテリアを中心に、プロダクト、グラフィック、ブランディングに至るまで幅広く活動を展開。

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