立喰すし魚河岸 山治

鮨へのこだわりを存在感のあるマテリアルで表現

 

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内の商業エリアの1店舗として出店した「立喰すし魚河岸 山治」。築地市場老舗の「魚河岸山治」から極上のマグロを仕入れ、ミシュラン店中目黒「鮨 つきうだ」の月生田光彦が監修。カウンター江戸前鮨を立喰いにする事で値段も時間も気にせず気軽に楽しめるお店を目指している。
店舗では、本来は閉塞感のある地下階でも、開放感が感じられるよう天井高を生かしたオープンなファサードで入りやすさを演出。垂れ壁には、銅板風にしたスチール板特殊塗装を施し、存在感のある仕上げにすることでお店の風格を与えている。店内は、7.9坪の空間中央にL字カウンターを配置し、握り手2人で12名のお客様にクオリティーの高い鮨を提供する。お客様が手に触れる天板と付け台には楢の無垢板を使用し、アイコンとして、壁面に山治の名前入りのシャリ切木桶を設けた。その他、その日の入荷に合わせて入替できる手書きの木製メニュー札、雑壁は従来のモルタルの仕上げではありながら特殊塗装で一手間掛け、風合いを出している。
素材や仕上げは本物を用いて存在感を持たせ、造作の形状で敷居を低くし親しみやすさを感じさせながら、業態と内装の考えを同じくした完成度の高い店舗となっている。(&SPICE.

 

「立喰すし魚河岸 山治」
所在地:東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー地下2階
オープン2023年10月6日
設計:&SPICE. 山﨑洋祐 土井 信
床面積:26.28㎡
客席数:12席
Photo:坂本 圭

 

【内外装仕様データ】
床:墨入りモルタルエイジング仕上げ
壁:店内/左官仕上げ 厨房/タイル貼り
天井:AEP塗装
その他:カウンター/無垢材(楢柾目) クリアウレタン塗装仕上げ サイン/スチール切り板メラ焼き ファサード/引き戸・木製框組(楢柾目) CL仕上げ クリアガラスFIX サイン/シート貼り

 

山﨑洋祐/&SPICE.
株式会社アンド・スパイス 代表取締役。1978年、バヌアツ生まれ。2006年にスパイスワークス入社。飲食店を展開する会社の設計部門が2014年に分社化し、アンド・スパイス設立。飲食に関わる全てのことに携わるデザインを行う。飲食店を実際に経営・運営してるからこそわかる、かゆいところに手が届くサポート、そこで働くスタッフ、そして業態が更に輝く事を意識し、全てを昇華させるデザインを目指している。また、設計のみならず、横丁プロデュース、業態提案を生業としている。横丁のプロジェクトとして、2022年には「東京大塚のれん街」がグッドデザイン賞を受賞した。

 

土井 信/&SPICE.
チーフデザイナー。1969年、大阪生まれ。複数の施工会社、インテリアデザイン事務所を経て、2014年からアンド・スパイスに在籍。路面店、商業施設、横丁の設計まで手がける。

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