京都小川生薬

 

 

食や宿泊体験を通して生薬を身近に感じる未来実験場

 

全国有数の生薬(薬物植物)の生産地である徳島県にある「小川生薬」。国内産の再生と持続可能な原料である植物の持つ有効成分をできるだけ自然に近い状態で活用し、生薬製造の歴史と知恵から生まれた体に優しく安全な商品(漢方薬及び健康茶、入浴剤)を提供し、現代生活の中において、漢方や生薬がもっと身近で気軽なものとなるような提案を行っています。その実店舗である「京都小川生薬」では、衣食住生薬以外との組み合わせによって新しい生薬の活かし方を提案し、「生薬の未来実験場 = 小川生薬」のパイロットショップとしての可能性を探っています。
生薬は、植物の葉、茎、根などや鉱物、動物のなかで薬効があるとされる一部分を加工したものです。これらの根源は、すべて地球・大地・土壌・土にあり、大地から生命を得て育ったもので、私たちはそれらを身体に取り入れることで生きています。「京都小川生薬」の建築は、生薬を育む環境を表現する舞台として「土」をテーマにデザインしました。店内は、1階のショップ&カフェ、2階のレストラン、3階のホテル、そして「薬草の庭」で構成。見て、触れて、体験して、「美味しく楽しく」生薬をより多くの人達にお伝えすることで、「日本の暮らしに寄り添う、生薬のある健康的で再生可能な循環型社会」の提案しています。(辻村久信デザイン事務所+ムーンバランス

 

「京都小川生薬」
所在地:京都府京都市中京区油小路通押小路上る二条油小路町272
オープン:2024年4月6日
設計:辻村久信デザイン事務所+ムーンバランス 辻村久信 西川裕二 慎 允偵
協力:建築設計/FLAT一級建築事務所 東 夕子 構造設計/村田龍馬設計所 村田龍馬 設備設計/山中建築設備事務所 山中隆弘 照明計画/L.GROW lighting planning room inc. 榎並 宏 グラフィックデザイン/粟辻デザイン 粟辻美早
床面積:407.31㎡
客席数:1階42席 2階26席
Photo:繁田諭写真事務所 繁田 諭

 

 

【内外装仕様データ】
屋根:淡路産瓦葺き
外壁:押出成形セメント板下地版築左官仕上げ(中野組
床:コンクリート金コテおさえ下地混凝土風左官仕上げ(中野組) 栗無垢材フローリング巾150貼り(前田木材
壁:LGS軸組みPBt12.5下地版築左官仕上げ(中野組) 混凝土風左官仕上げ(中野組) 栗羽目板巾90貼り(前田木材) 栗材不燃パネル巾90(リアルパネル/ニッシンイクス) 光壁/クリアガラス+阿波和紙貼り
天井:LGS軸組みPBt12.5下地混凝土風特注クロス貼り(ARACO) 和紙貼り
什器:客席テーブル/栗無垢材ウレタンクリア塗装全ツヤ消し 物販棚/St角パイプ組み+混凝土風左官仕上げ(中野組) 木軸下地混凝土風左官仕上げ(中野組) 合板下地栗単板貼り+小口栗無垢材おさえ
家具:客席/オリジナルスツール(カッシーナ・イクスシー、NO.42/宮崎椅子製作所、UNI-Master/宮崎椅子製作所

 


辻村久信/辻村久信デザイン事務所+ムーンバランス
2006年株式会社ムーンバランス設立。2005年~奈良女子大学特任教授。2008年~2022年京都芸術大学教授。プロダクトから建築まで境界を超えて、日本の伝統の軸線上にあるモダンデザインを創造する。代表作に雪月花、Ricordi、chano-ma、SOU・SOU、WA-Qu exhibition、宙・渡月荘金龍、銀座あけぼの、木曽路、STRASBURGO、土屋鞄製造所、MALEBRANCHE、亀屋良長、八幡屋礒五郎、ごはんや一芯、ネクステージ、保壽寺、湖南荘、RIN。

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