コミュニケーションの場とプライベートな時間それぞれを生む空間

ホームグラウンドとは本拠地であり、慣れ親しんだ十分に活躍できる場所や分野のことである。「HERO’S」は誰でも気軽に来れて安心できる、みんなのホームグラウンドのような場所となることをテーマとしたスポーツバーである。そのため、お客様同士のつながりが生まれつつ、自分の時間も確保できるような自由度の高い空間をデザインできないかと考えた。店内では、カウンターや机に光のラインを差し込み、色を自由に変化できるようにすることで、コミュニケーションが生まれる仕掛けとしている。また、逆に自分だけの時間を確保できるよう、隣の人と違う音を聞くことが出来る超指向性のスピーカーを配置し、一つの空間を共有しながらプライベートな空間をつくり出している。
私はここが各々が好きなスポーツを楽しみながら、訪れた人同士が空間や時間を共有できるホームグラウンドのような場所に育ってくれることを望む。（吉田昌弘／KAMITOPEN）

「HERO’S Cafe& Sports Bar」
所在地：東京都千代田区有楽町1-2-14 紫ビル1階
オープン：2024年4月4日
設計：KAMITOPEN　吉田昌弘　福嶋知子　鄧冰清
床面積：58.57㎡
客席数：27席
Photo：宮本啓介

【内外装仕様データ】
床：コンクリートクリア塗装　乾式二重床下地塩ビタイル貼り（IS-20838／サンゲツ）
壁：客席、厨房／コンクリートクリア塗装　LGS組みPBt12.5下地AEP　トイレ、通路／LGS組みPBt12.5下地クロス貼り（WRA8010／東リ）
天井：コンクリートクリア塗装　LGS組みPBt12.5下地VP
その他：ハイチェア（PC-254BR、TEC-40BR／東谷）　カウンター、テーブル天板／ウォールナット突板クリア塗装　カウンター壁／メラミン化粧板（TS-10205K／アイカ工業）　スピーカー（FS-Mini audifly mini／HSS Japan）

吉田昌弘／KAMITOPEN
一級建築士。1977年大阪生まれ。2001年京都工芸繊維大学工芸学部（岸和郎ゼミ）卒業。2001年タカラスペースデザイン株式会社入社。2007年KAMITOPEN設立。2008年株式会社KAMITOPEN一級建築士事務所設立。