circulation

リペアとリセールプロダクトの循環を表現した空間

 

恵比寿駅から少し歩くと、laicoSの運営するギャラリー CAGE GALLERYとHender Schemeのフラグシップショップであるsukima Ebisuが道向かいに建つ四叉路がある。彼らは、面白い物件を見つけてきては、そのコンテクストに合わせてギャラリーや店舗をつくっている。今回は、その四叉路の一角に建つ建物の半地下のスペースを、リペアやリセールプロダクトの販売を行う場所「circulation」に改修するプロジェクトだ。circulationは、自社/他社製品のリペアを軸に、リセール、カスタム、ワークショップを行うことで、プロダクトが「循環」することを目的としている。そこで、彼らとのこれまでの取り組みの延長でデザインしつつ、新しいもので構成するのではなく、その場所のコンテクストも含めて転用し、リペアすることで、サステナブルな価値を提供したいと考えた。
手前の空間をプロダクトの販売スペースとして、奥にリペア作業を行う工房を作る。工房は、お客さんから預かった靴の品質担保や粉塵の飛散対策も兼ねて、断熱処理を施し密閉することで湿度をコントロールできるようにデザインし、残り半分の販売スペースは既存のままとしている。販売スペースと工房の間の既製品の巨大なアルミサッシを半分開けると、カウンターが出てくる。販売スペースはスロープになっていて、普通に什器を置くことが難しい。そこで、クライアントが集めていた、靴の工房で使われていた古いキャスター付きのシューズラックを浮かせて壁に取り付けている。(DDAA

 

 

「circulation」
所在地:東京都渋谷区恵比寿2-14-3 地下1階
オープン:2024年2月23日
設計:DDAA 元木大輔 萬藤大雅 滝実彩喜
施工:SET UP
床面積:44.16㎡
Photo:OFP 長谷川健太

 

 


元木大輔/DDAA
DDAA/DDAA LAB代表。CEKAI所属。Mistletoe Community。シェアスペースhappa運営。東京藝術大学非常勤講師。1981年埼玉県生まれ。2004年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、スキーマ建築計画勤務。2010年DDAA設立。2019年、コレクティブ・インパクト・コミュニテイーを標榜し、スタートアップの支援を行うMistletoeと共に、実験的なデザインとリサーチのための組織DDAA LABを設立。2021年第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展参加。

DDAA
建築、都市計画、ランドスケープ、インテリア、プロダクト、コンセプトメイキングなどの様々な分野で活動している建築・デザイン事務所。DDAA LABという、建築的な思考を軸に、独自のリサーチやプロトタイピングを通して社会性のある実験的なデザインを自主的に行うプラットフォームをもち、ふたつのチームがお互いにフィードバックを繰り返しながら、イノベーティブなアイデアを社会に提供することを目的としている。

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
   
お手掛けの物件や、新製品・イベントなどの情報は下記フォームよりご連絡ください。情報はこちら  

広告掲載について