FACE to SPACE

11種類の可動式什器による多用途のシーンへ向けた空間提案

 

株式会社リソーコが展開する「Warehouse Market Tokyo」シリーズの一環として、ショールームのリノベーション設計を行った。施主の要望は、倉庫リノベーションのプロモーションを目的としたショールーム機能に加え、セミナーやイベントに対応可能な多目的空間の実現であった。対象となったのは、かつて大手電機メーカーが研究開発(R&D)センター兼倉庫として使用していた建物の一部。既存のマテリアルにほとんど手を加えず、11種類の「可動式什器 =フェースユニット」を導入することで空間の区画と仕上げ工事を同時に実現する手法を採用した。各ユニットは床、もしくは、壁面に固定された1点を軸に回転し、動く壁として空間を仕切る機能を持つ。また、各什器の垂直面には可動部が組み込まれ、壁面に机や棚といった機能を引っ張り出す事が可能である。各ユニットがXYZ軸に沿って回転・展開することで、アナログシンセサイザーのつまみを調整するように空間の様相を変化させることを意図した。什器工事のみで空間整備が完結することで、賃貸オフィスに多い複雑な工事区分(いわゆるABC工事)の課題が軽減することを考えた。また、可動式什器は転居時に持ち出して再利用できるため、原状回復工事の負担を軽減できる点も特徴である。固定的な間取りに依存しない設計手法を取り入れることで、多用途に対応できる空間の可能性を提案した。(UNQUOTE

 

 

「FACE to SPACE」
所在地:東京都港区海岸3-5-13 五色橋ビル5階
オープン:2024年11月
設計:UNQUOTE 徳山史典+弓削純平
床面積:155㎡
Photo:鈴木淳平

 

【内装仕様データ】
床、壁、天井:既存利用
家具、什器:共通/長尺小波(コットンホワイトE591/月星商事) キャスター(413 BBE-UZ 100、420 BEE-UZ 100/ハンマーキャスター) A2什器/有孔フレキボード(チヨダウーテ) B1什器/天然リノリウム(ブルテンボード 2211 tangerine zest/フォルボ) B2什器/紙管(立山製紙) B3什器/有孔シナボード(アサヒ) C1什器/黒板塗装(ターナー色彩) C2什器/EVAフォームt30(サンペルカ C-700/三和化工) C3什器/アルミ樹脂複合板(アルポリックt3 fr RF 01/三菱ケミカルインフラテック) D1什器/プラスチックボード(11024 レゴ クラシック 基礎板 グレー)/LEGO) D2什器/コルクシート(トッパーコルク) カーテン(SOPRANO COLOR Ⅲ-324/クリエーションバウマン) チェア(Fla Armchair/TOOU

 

UNQUOTE(アンクオート)
徳山史典と弓削純平が主宰するデザインチーム。2018年より東京を拠点に建築設計を主軸にグラフィックや映像など、領域を横断して活動を開始。unquoteとは引用符の終端記号(”)を意味し、文章を引用する際の引用文と地の文の結節点。周辺環境やクライアントのライフスタイルといったプロジェクトの文脈、あるいは先人により開拓されたデザインの要素など、様々なことがらの「引用」から始まり、そこに独自の要素を加えて新たに紡いでいくことこそが、デザインのおもしろさであり役割であると考え、様々なプロジェクトに取り組んでいる。

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