繊細な素材の表情の対比と陰影に包みこまれる空間

博多の中でもカルチャー色の強いエリアにコンパクトなコーヒースタンドをデザインした。近隣のアート系、グッズ系カフェとの差別化を目的として シンプルな内装をベースにしながら“えぐみ”を加え、飲み込まれるような感覚を目指した。統一されたトーンの空間の中で、素材のばらつき、陰影のバランスにより空気の張りつめ方を調整し、入り口からフロアを下がったレベルにすることで、室内では目線が天井の装飾から外れ、狭小ながらくるまれるような居心地の良さを実現した。（三宅慶輔／tyto）

「un」
所在地：福岡県福岡市博多区住吉5-19-9
オープン：2025年1月25日
設計：tyto　三宅慶輔
床面積：28㎡
客席数：5席
Photo：中辻 亮

【内外装仕様データ
床：既存コンクリート染色塗装（アクアカラー／AFJ）
壁：PBt12.5下地塗装仕上げ
天井：既存躯体の上吹き付け塗装
什器：MDF下地ウレタン塗装

三宅慶輔／tyto
1984年、京都生まれ。京都工芸繊維大学卒業。atelier juseを経て、2020年にtyto設立。