FEATURE

石楠花

京都の山深い地にある花背には、摘草料理で知られる料亭旅館、美山荘がある。ここ「石楠花」(しゃくなげ)は、その四代目当主・中東久人氏による料理が楽しめる店となっている。キッチンは、料理人が舞台に立つような位置に配置され、そのキッチンとカウンター天板の段差の立ち上がり部分を曲面とし、緩やかに客と料理人を繋いでいる。その曲面は天井へと連続し、そのまま外部のテラス、外部の町並みへと連続するよう構成した。また、風と光を感じながら銀座の街並みを見渡せる月見台や、小さな茶室をイメージした個室など、銀座から京都・花背を想起し、京都への思いを馳せることの出来る空間に仕上がった。(文・福本祐樹/文責BAMBOO

 

  • 「石楠花」 
  • ■所在地:東京都中央区銀座4-6-16  銀座三越12 
  • ■床面積:101㎡(うちテラス席85㎡) 
  • ■設計:FHAMS 福本祐樹 家次 宏 
  • ■撮影:ナカサ&パートナーズ

 

 


上/京町家を思わせるエントランス

下/茶室から着想した個室

 

KERRY HOTEL Pudong, Shanghai

  「シャングリ・ラ」「トレーダース」ブランドで全世界に70のプロパティを展開するシャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツの新しい五つ星ブランド「ケリーホテル」の第1号プロパティ「浦東ケリーホテル 上海」(上海浦東嘉里大酒店)が20112月グランドオープンした。上海・浦東地区の中心部に位置する複合施設ケリーパークサイド内の31階建てビル内に入るこのホテルは、574室の客室(42㎡〜168㎡)を持つ。 

料飲施設の目玉は3in1スタイルのダイニング&エンターテインメント「ザ・クック」「ザ・ブリュー」「ザ・ミート」。「ザ・クック」は、屋外のパティオ部分を含め365名まで収容が可能なメイン・レストラン。上海の賑やかなデリ・スタイル市場をイメージした空間。「ザ・ブリュー」は、生演奏を楽しめるコンテンポラリーなパブ。3層分の高さがあるビール用ステンレス製のタンク「フライング・ブリューワリー」を中心に空間がデザインされている。ステーキハウス&グリルレストラン「ザ・ミート」は4月オープン予定。また、九つのトリートメントルームを完備した275㎡のウェルネス・デイ・スパも同じく4月にオープン予定。 

ホテルの入るケリーパークサイド複合施設には地下鉄駅が併設されており、マグレブ(リニアモーターカー)を利用すると、浦東国際空港へはわずか7分。マグレブの駅からホテルまでシャトルサービスを利用すると空港から最短15分でチェックインが可能という。近隣には直結する国際展示場「上海新国際博覧中心」や「上海科技館」「上海東方芸術中心」などが点在し「上海ディズニーランド」の建設予定地もある。上海に続くプロパティーとして「シャングリ・ラ ケリーセンターホテル北京」が2012年前半に開業予定。 

 

 

  • KERRY HOTEL Pudong, Shanghai 
  • ■オープン:2011218 
  • ■所在地:1388 Hua Mu Road, Pudong Shanghai 201204, China
  • ■設計:Kohn Pedersen Fox Associates PC 
  • ■客室数:574
  • KERRY HOTEL Pudong, Shanghai

 

客室内には特注バーカウンターミニバー、40inch液晶テレビ、iPodドッキングステーション、無料ワイヤレスブロードバンド等が完備されている。

 

 

うどん しのぶ庵 梅田店

ドミニク・ペロー設計による「大阪富国生命ビル」(大阪・梅田)が昨年12月開業。このビル1階にセルフうどん店「うどん しのぶ庵 梅田店」がオープンした。 “江戸時代の街場”をコンセプトにデザインされた空間は、店内外の境界を曖昧にすることで、人の賑わいを内部に引き込むという考え方で構成。日本の伝統的なアイコンである提灯を随所に用いている。空間デザインを手掛けたのは間宮吉彦氏。

  • 「うどん しのぶ庵 梅田店」
  •  オープン:2010129 
  • 所在地:大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル1 
  • 設計:インフィクス 間宮吉彦 
  • 床面積:100
  • 客席数:41
  • 撮影:下村康典

 

 

 

decora KOBE

deconstruction”(脱構築)をコンセプトにしたアイウエアショップ「decora KOBE 10年を経たリニューアル。新しい店舗の空間コンセプトは“LOBBY STYLE”。 人々が集い、会話し、時に和ませる機能を持つホテルのグランドロビー。そこには一流のサービスを提供するコンシェルジュがいる。こうしたイメージをソースに、客にカウンセリングしながら商品を提供する空間がリ・デザインされた。デザインを手掛けたのはインフィクス・間宮吉彦(まみや・よしひこ)氏。 

 

  • decora KOBE
  • リニューアルオープン:201032
  • 所在地:兵庫県神戸市三宮町2-4-4
  • 設計:インフィクス 間宮吉彦
  • 床面積:142
  • 撮影:ナカサ&パートナーズ

 

 

 

salon du fromage HISADA

パリの一区に建つ18世紀の建物。この12階部分に三次曲面の壁で包まれたチーズショップ「salon du fromage HISADA」がオープンした。1階は、チーズを鑑賞しながら回遊できるよう異なる直径・高さの円柱状冷蔵展示台が並ぶ物販エリア。2階は、料理教室やイベントにも対応可能なレストランとなっている。キーアイコンとなるキューブ状の照明器具は、厚さ6mmの人造大理石(コーリアン)製。設計を手掛けたのは、パリ、東京、名古屋で活躍する建築家の堀内功太郎(ほりうち・こうたろう)氏。

 

  • salon du fromage HISADA 
  • 所在地:47, rue du richelieu 75001 Pari
  • 竣工:201012 
  • 床面積 : 73 m²
  • 設計 : 堀内功太郎建築設計事務所
  • http://kotarohoriuchi.com

 

上/2階レストラン。オリジナルデザインのテーブルと椅子はグラスファイバー製

下/階段室

茶のちもと

日 本を代表する温泉地・箱根湯本に建つ、和菓子屋「ちもと」の建物は、昭和初期に建設された擬洋風建築。この保存改修とともに新規の喫茶「茶のちもと」が オープンした。店名の「ちもと」とは、浄瑠璃・歌舞伎の演目「義経千本桜」に由来する。度重なる増改築の結果と思われる変形の平面を曲線でなぞり、珪藻土 漆喰の壁で空間を柔らかく包んでいる。窓に付けられた雪見障子の組子は山桜の姿をしており、箱根の山と室内空間を記号的に繋げる。FRP樹脂で成型された客席のテーブルと大きなお椀形カウンターは、桜の花びらに切り取ったガーゼをあしらい、樹脂を重ねては研ぎ出す工程を繰り返して、桜吹雪の靄がかったような奥行き感を生み出している。建築、空間デザインを手掛けたのは、小川裕之(おがわ・ひろゆき)氏。

 

  • 「茶のちもと」  http://yumochi.com/
  • オープン:2010527
  • 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町湯本690
  • 設計:小川都市建築設計事務所 小川裕之
  • http://www.ogawaoffice.com/
  • 床面積:34.43㎡(喫茶部分)
  • 撮影:T.Hiraga

 

 

箱根の山の稜線を思わせる曲面が空間を和らげる


SHARI THE TOKYO SUSHI BAR

SHARI THE TOKYO SUSHI BAR」 は、銀座・並木通り沿いにオープンしたヘルシーなロール寿司をメインにしたレストラン&バー。“海外から見た日本”をデザインコンセプトに、大谷石による 壁面、カウンターバックのアートオブジェ、着物デザイナー・斉藤上太郎デザインによるファブリック等でモダンジャパニーズを具現化した。ウエディングパー ティーなどにも対応できる設備も整う。空間デザインを手掛けたのは、垂見和彦(たるみ・かずひこ)氏。

Sushi Bar in Contemporary Japanese Style

“SHARI THE TOKYO SUSHI BAR”, is a restaurant & bar on Namiki-dori in Ginza and serves healthy roll sushi. With the design concept of “Japan from foreigners’ eyes”, they embodies modern Japanese style with walls with Oya stone, the art piece behind the counter, fabric designed by Jotaro Saito, Kimono designer, etc. They have facilities for wedding receptions. Kazuhiko Tarumi designed the space.

 

  • SHARI THE TOKYO SUSHI BAR 
  • 所在地/Address:東京都中央区銀座2-4-18 ALBORE GINZA 8 / 8F Albore Ginza, 2-4-18 Ginza, Tokyo
  • 設計/Design :ラダックデザインアソシエイツ 垂見和彦 /Kazuhiko Tarumi, LADAKH DESIGN ASSOCIATES CO.,LTD
  • オープン/Opened :201124日/Feb 4,2011 
  • 撮影/Photo:ナカサ&パートナーズ/Nacasa & Partners

 

 

 

KARINTO Sweets蔵

200年以上経つ酒蔵をリノベーションした「蔵久」がグランドオープンしたのが2005年。今回新たに、その一部に「KARINTO Sweets 蔵」がオープンした。チョコレートをまぶしたかりんとう「ショコラ花林糖」を販売するこのコンパクトショップ、年季の入った床や壁はそのまま使用し、部分的に金箔が貼られている。かりんとうを陳列したショーケース腰にも金箔が貼られており、ここには朱色がグラデーション状に塗装されている。天井からはLEDによるライン照明を下がり、ハイテクと伝統的な素材がまじり合う、時空を超えた空間がイメージされている。空間デザイナーは橋本夕紀夫氏。

 

Floating Golden Showcase in the Dark Space

“Kurakyu”, which building was renovated 200-year old Sake Cellar, opened in 2005. This time, “Karinto Sweets Kura” opened in a part of the building. Karinto is Japanese traditional sugar-coated flour snack.At this small shop, they sell “Chocolat Karinto”, chocolate-coated Karinto.  They left old floors and walls and partially decorated with pure-gold leaves. The showcase which Karinto is diplayed has gold leaf decoration and has vermilion paint gradations. LED line lightings are hung from the ceiling and create a timeless space where high-tech and traditional pieces mingle. Yukio Hashimoto designed the space.

 

  • KARINTO Sweets 蔵」   
  • 所在地/Address:長野県安曇野市豊科高家604 / Toyoshina, Azumno-shi, Nagano 
  • 設計/Design:橋本夕紀夫デザインスタジオ  /Hashimoto Yukio Design Studio
  • 撮影/Photo:ナカサ&パートナーズ/Nacasa & Partners

 

 

 

 

「蝶蝶」”Tefu Tefu”

花街の面影を残す東京・神楽坂にオープンしたナイトクラブ「蝶蝶」。天井に舞う蝶蝶は半透明のアクリル製でそれぞれにLEDが内蔵されている。ライティングはプログラミングされており、動きのある光の演出が可能となっている。店内はグリッド状にボックス席が並び、中央に通路が通る。空間デザインを手掛けたのは橋本夕紀夫(はしもと・ゆきお)氏。

 

LED Butterfly Flying on the Ceiling

Tefu Tefu (butterfly) opened in Kagurazaka, old geisha quarter in Tokyo. Butterflies on the ceiling are made from semi-transparent acrylic and LED is inplanted in each of them. Lighting is programed and can make various light shows. In the venue, box sheets are placed and the isle runs in the middle. Yukio Hashimoto designed the space.

 

  • 「蝶蝶」”Tefu Tefu”   
  • 所在地/Address :東京都新宿区神楽坂 / Kagurazaka, Shinjuku-ku, Tokyo
  • 設計/Design:橋本夕紀夫デザインスタジオ/ Hashimoto Yukio Design Studio
  • 撮影/Photo:ナカサ&パートナーズ Nakasa & Partners

 

 

 

 

一切合切、太陽みたいに輝く

  

東京・元麻布。有栖川公園にほど近い旧テレ朝通り沿いに建つ新築ビル 3階にオープンした和食「一切合切、太陽みたいに輝く」のコンセプトは融通無碍(=既成の考え方に捉われることのない自由なさま)。料理はおまかせコース 4500円にアラカルトがプラスされるシンプルな構成。 30代前半の若いオーナーシェフがこだわる、質の高い料理が供される。空間デザインを手掛けたのは、兼城祐作氏(かねしろ・ゆさく)氏。着物デザイナー斉藤上太郎作によるファブリックを天井などに贅沢に使用している。店名はeastern youthの曲名に由来。

Freewheeling Food and Space

Locaed on the 3rd floor of new building on Kyu Tele-Asa Dori near Arisugawa Park, theme of the newly opened Japanese restaurant “Issai Gassai, Taiyo Mitaini Kagayaku” is “freewheeling”. They offer simple 4,500-yen course with a la cart menu. Chef in his early 30’s prepares dishes with high quality. Interior design was done by Yusaku Kaneshiro. They display the textile designed by Jotaro Saito, Kimono designer. Their unique restaurant name was originated by the song by eastern youth.

 

  • 一切合切、太陽みたいに輝く / Issai Gassai Taiyo Mitaini Kagayaku
  • ■オープン/Opened :2011114日/ January 14, 2011
  • 所在地/Address:東京都港区元麻布2-1-17 モダンフォルム元麻布ビル3階 / 3F, 2-1-17 Moto-Azabu, Minato-ku, Tokyo
  • ■設計/Design:兼城祐作+造形集団/Yusaku Kaneshiro + Sokei Syudan
  • ■撮影/Photo:石橋マサヒロ / Masahiro Ishibashi

 

  • 一切合切、太陽みたいに輝く/ Issai Gassai Taiyo Mitaini Kagayaku
  •  http://www.isgs.jp/ 

 

 

 

佐島倶楽部

プライベートの保養所として使用されていた海際の建物がリノベーションされ、新たにPrivate villa「佐島倶楽部」としてオープンした。用途は、ウエディングパーティーや展示会、企業用研修施設、撮影スタジオなど幅広い活用が想定されている。もともとこの建物は、現オーナー、森健一氏の大叔父にあたるチャールズ・E・タトル氏が1954年に建てたレッドハウスと呼ばれる木造建築で、1986年に本田技研工業の保養所として建て替えられた。そして今回、インテリアディレクター・黒田美津子(くろだ・みつこ)氏の手により、ゲストルーム付きの3層戸建てのヴィラとして新たに再生された。空間のテーマは自然の4元素『火、水、土、空気』。借景となる豊かな海の表情を、さまざまなマテリアルやアイテムで表現した空間となっている。 

 

 Modern Architect on the Beach

Privately owned retreat were renovated and opened new private villa “Sajima Club.” The venue will be used for various purposes, such as wedding receptions, exhibitions, training facilities, and photo studio. This building was build in 1954 by Charles E. Tuttle, grand uncle of Mr. Kenichi Mori,  the current owner. and called “Red House” and renovated in 1986 for the company retreat of Honda. And this time, it was once again renovated by Mitsuko Kuroda, interior director to a 3-storey villa with guest rooms. Theme of the space is four elements of nature, “Fire, Water, Earth and Air.” The design with various materials reflects the scenes of the ocean in front of the building.

 

  • 「佐島倶楽部」 / Sajima Club
  • グランドオープン / Grand Opening :2011年3月1日 / March 1, 2011
  • 所在地/Address :神奈川県横須賀市佐島3-8-21  / 3-8-21, Sajima, Yokosuka-shi, Kanagawa
  • オーナー/Owner:タトル・モリエイジェンシー 森 健一 / Kenichi Mori, Tuttle-Mori Agency  
  • インテリアディレクター/Interior Director:黒田美津子/Mitsuko Kuroda 
  • 撮影/Photo :ナカサ&パートナーズ / Nakasa & Partners

 

 

 

3階に5室あるゲストルームの内の一室。居心地感の良い空間に仕上がっている

One of their comfortable guest room on 3-5th floor.

 

HACIENDA DEL CIELO

ダズルやリゴレットなどの人気レストランを手掛けるHUGEが新店「アシエンダ デル シエロ」を代官山にオープンした。9階建てビルの最上階にあるこのモダンメキシカンレストランは、メインダイニング、中2階席、全天候型のテラス席で構成。天井高8mの吹き抜け空間には、オリジナルに製作されたシンボリックな巨大シャンデリアが吊られる。バンコクのシロッコや、香港のシーヴァを彷彿とさせる本格的天空レストランが東京に誕生した。空間デザインを手掛けたのは、SWeeTの佐野岳士(さの・たけし)氏。 

Modern Mexican Dining “House in the Sky”

HUGE, restaurant operator for Dazzle and Rigolette, opened their new venue “Hacienda del cielo” in Daikanyama. Located on the top floor of a nine-storey building, this restaurant has a main dining room, mezzanine space and all-weather type balcony. Originally designed chandelier is hung from the 8-meter high ceiling in the atrium. The place may remindyou of the places like Sirocco in Bangkok and Siva in hong Kong. Interior design is done by Takeshi Sano of SWeeT.

  • HACIENDA DEL CIELO 
  • 開業/Opened:201126 / February 6, 2011
  • 所在地/Address:東京都渋谷区猿楽町10-1 マンサード代官山9階 / 9F Floor, 10-1 Sarugaku-cho, Shibuya-ku, Tokyo
  • 設計/Design:SWeeT 佐野岳士 / Takeshi Sano
  • 撮影/Photo :ナカサ&パートナーズ / Nakasa & Partners