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メゾン・エ・オブジェ・パリ 2…

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世界各国のインテリア、建材メーカーを中心とした大型の出展と並び、メゾン・エ・オブジェの見どころの一つである小規模ながら力強いデザインを発信するブランドや、デザイナー、アーティスト達など個性溢れる作品の展示。プロダクトのみならず、アートオブジェやサイエンティストによる実験的なインスタレーションなどが数多く見られる。

 

シンガポールをベースに、さまざまなクリエイターとコラボレーションしたデザインプロダクトを 発表している「Industry+」。同ブランドが、展示したテーブルの“脚”「Bipod」は、フランスを拠点に活動する日本人デザイナー・菅原大氏のデザインによるもの。ライフルなどの大型の銃を固定する「銃架」と呼ばれる脚部にインスピレーションを受けて開発された。4つの脚は、銃架と同じくコンパクトに折りたたんで持ち運ぶことができ、展開して天板となる板を乗せればテーブルとなるという提案。シンプルなデザインが世で広く受け入れられる一方で、菅原氏は、「とにかく多くのパーツを用いて、複雑な機構と技術を詰め込んだプロダクトがつくれないかとチャレンジしました」と話す。脚部に用いられたパーツは全部で106個に及び、その機構が見せる美しさが目をひく作品だ。「Bipod」は、今年10月後半から開催されるデザイン展、「AnyTokyo」でも展示される予定。

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複雑かつシャープなデザインのテーブル「Bipod」

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アルミ製の脚部を折りたたんで収納する専用のケースもつくられた

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フランスを拠点に活動するデザイナー、菅原大氏

 

照明ブランド「ARPEL」が展示したのは、LEDを埋め込んだシャープでシンプルな照明プロダクトの数々。代表のデザイナー、François-Xavier Balléry氏は、「LEDを照明の光源としてよりも、新しいテクノロジー、素材の一つとして捉え、その性質を生かした照明プロダクトをデザインしています。新しい光の形を生み出すことを目的としているので、初めはブランド名を『Goodbye Edison』にしようとしましたが、許可がおりなかった」と笑う。

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François-Xavier Balléry氏と新作のスタンドライト。バー状の中央に小さなセンサースイッチが付いただけのシンプルなデザイン

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薄い額縁が発光するような照明「FRAMED」は、壁付けとスタンドのバリエーションがある

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シャープな脚に光源の天板が載ったようなデスクライト「FINE」

 

メーカーやデザインブランドと協働した工業的なプロダクトが並ぶ中、クリエイターによる手仕事が存在感を示す作品も多く見られた。セラミック製のプロダクトを多く発表している、Gilles caffier氏の作品は、自身とアトリエの職人達よるハンドメイドで生み出されるナチュラルかつモダンな味わいが特徴だ。Gilles caffier氏は、「かつては日本でも磁器のことについて学びました。20年以上にわたり、ミニマムとマキシマムをコンセプトに、細かい手仕事を詰め込んだ作品をつくりり続けています。時代によって人々の求めるものは変わりますが、コンセプトの変わらないタイムレスなものを生み出したい」と話す。

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セラミック製の歪な輪で構成された脚にラムレザーを張ったスツール

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焼き物の他、大理石を用いた作品も多く発表している

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手仕事で生み出される独特のテクスチャーが特徴の作品を20年以上にわたりつくり続けている

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最新作のつぼについて説明するGilles caffier氏

 

バイヤー達に向けた製品の展示のほか、クリエイター達による、プロトタイプやアート作品の展示スペースも設けられた。アーティスト、Arthur Gillet氏の作品は、哲学的なコンセプトを込めた独特の表情を持つ花器。エドガー・アラン・ポーの作品の一節をモチーフに、人の持つ虚栄心を映し出そうとしている。セラミック製の花器に、台座に描かれた模様が反射して、ラテン語の虚栄心に関する言葉が浮かび上がり、また花器に差した花が散りその文字を覆い隠すことで、時間の移り変わりによる人の心の変化を表現している。

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自身の作品に顔を寄せるArthur Gillet氏。

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エドガー・アラン・ポーの作品の一節をもとに、七つの花器とオブジェがつくられた

 

時計のような円形のオブジェの中を、色鮮やかなフィルムが回転し、表情を常に変えていく「101.86° color of the day」は、サイエンスの視点を持ち込んだ作品。デザインユニット、JANSEN & VAILLYの二人が着目したのは、クリスタルの研究に使われる偏光フィルター。クリスタルの性質や成分を分析する時に、専用のフィルターを通して角度を変えながら見ることで、目に見える色が変化する作用を作品に取り込んでいる。時計の秒針・短針・長針のような3つの動きをするクリスタルをそれぞれ回転させ、バックライトに照らし出すことで、色鮮やかな色の移り変わりが生まれる。Laura Lynn Jansen氏は、「クリスタルの見せる美しい色の変化が、自然の情景が移り変わっていくかのようなゆったりとした時間の変化を、曖昧に人の心理に訴えかけます。時計のような形にしたのは、時間という概念に精神的に縛られた現代人に向けて、この色の移り変わりによる緩やかな時間や光の変化を体験して欲しかったから」と話す。

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さまざまなパターンの作品が並ぶ

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クリスタルが回転することでフィルムとの光を通す角度が変わり、色も変化していく

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エコロジカルな作品をテーマに活動するThomas Vailly氏(左)と、ヘルスケアや人間心理に関わるデザインを手がけているLaura Lynn Jansen氏。

その他にも、若いクリエイターや学生など、実験的かつ意欲的な作品が多く展開し、メーカーの製品ブースと共に、現在だけでなくこれからのデザインの可能性を示す場として盛り上がりを見せた。〈了〉

 

メゾン・エ・オブジェ・パリ
会期:2015年9月4日(金)~8日(火)
場所:パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場(ZAC Paris Nord 293420 Villepinte, France)

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メゾン・エ・オブジェ・パリ 2…

 

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2015年9月4日から8日まで、「メゾン・エ・オブジェ・パリ 9月展(Maison et Objet Paris)」が開催された。「メゾン・エ・オブジェ」は、インテリアや建材、ライフスタイル関連のアイテムを中心にしたトレードショーで、近年では本国のフランスだけでなく、シンガポールやアメリカでも開催され、世界中からバイヤーやデザイナーが訪れる重要なトレードショーとなっている。

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パリ市内、ノールヴィルパントの見本市会場

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全8ホールにテーマ別の展示スペースが展開する

展示会場は、ジャンル別に大きく三つのエリアに分けられる。家具や照明、ファブリックなどインテリアアイテムを中心にした「メゾン」。キッチン、フレグランス、ファッションなど生活空間をより豊かにするアイテムを集めた「オブジェ」。そして、ラグジュアリーやデザイン性を重視し、ライフスタイルに対する提案を行う「リュクス デザイン&空間デザイン」。それぞれにブランドやメーカーの出展ブース、デザイナーによるプロダクトやアートの展示、メゾン・エ・オブジェの企画スペースなどが並ぶ。

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ベルギーの家具メーカー「SEMPRE」。木材や石などの天然素材を多用したインテリア提案が目を引いた。

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オランダのインテリアアイテムブランド「CRAVT Original」。キャンドルを用いたインスタレーション。

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ベルギーのメーカー「Vandecasteele Marc & Co」は、バンブーを使った家具提案ととに、その素材をモチーフにしたブースを展開。

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オフィスデザインや家具を手掛ける「BuzziSpace」は、厚みのあるフェルトを用いたパーティションなどを提案。

今年で20年目を迎えたメゾン・エ・オブジェは、徐々にその規模を拡大し、来場者の約35%を建築家やデザイナーといったクリエイター が占めるという。日本からも企業などが出展するほか、日本商環境デザイン協会(JCD)のプレゼンテーションや、照明デザイナー・石井幹子氏の招待ブース展示、昨年はデザイナーオブザイヤーにnendoの佐藤オオキ氏が選出されるなど関わりを深めている。

「建築やインテリアデザインにおいてインスピレーションのソースとなるプロダクトやアート、プロトタイプの出展が多くある。出展者、来場者として日本のデザイナーが訪れることで、そのアイデアとのイノベーションが生まれることを期待している」と話すのは、メゾン・エ・オブジェを主催するSAFIのフレデリック・ブジャール氏。また、イタリアで開催されているミラノ・サローネなど他の見本市との差別化については、「メゾン・エ・オブジェは、人々の暮らしすべてに関連するものが提案される場所。例えばミラノ・サローネが家具を中心とした見本市とするならば、メゾン・エ・オブジェは生活空間全体に対する見本市」と語る。

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メゾン・エ・オブジェを主催するSAFIのフレデリック・ブジャール氏。

毎回メゾン・エ・オブジェではメインテーマを設け、そのテーマに沿った企画展やトレンドセッターによる提案スペースが展開する。今回、設定されたテーマは「PRECIOUS(プレシャス)」。尊い、貴重、大切などの意味を持つこの言葉を、今とこれからの世界のトレンドを通して解釈した製品、作品が会場の各所に並んだ。トレンドセッターの一人、ヴァンサン・グレゴワール氏は今回のテーマについて次のように話す。

「近年のインテリア、ライフスタイルにおいて、特に北欧デザインを中心としたシンプルなものや、自然の素朴な素材感を感じるアイテムが多く求められてきたが、消費者たちは次の新しい価値観を求め始めている。今回のテーマであるPRECIOUSは、ギラギラしたものやただ高価なものを指すではなく、繊細さや儚さ、ミニマルな要素を持った新たなラグジュアリーを見つめ直すもの」

グレゴワール氏がディレクションを担当したブックストアでは、ファッション、フード、工芸、デジタルデータ関連などさまざまなジャンルから、現代における“ラグジュアリー”がいかに変化してきたかを示す書籍をセレクトした。また、グレゴワール氏の知人40人に「あなたにとってのPRECIOUSは?」と尋ねて得られた40の答えを展示。「土」や「お金」「空気」のほか、「時間」など概念的な価値をガラスドームの中に表現した。

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今回のメゾン・エ・オブジェのテーマ、「PRECIOUS」をもとにしたインスタレーションとブックストア。

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メゾン・エ・オブジェのディレクター、ヴァンサン・グレゴワール氏。

メゾン・エ・オブジェの企画スペース「インスピレーション」。全体のテーマであるPRECIOUSをもとにセレクトされた「ゴールド」や「鉱石」を用いたアートやオブジェ、素材が展示される。 グレゴワール氏曰く、これらは今のトレンドの一つである「ミネラリティ(鉱石など風合い、素材感)」を示すものだ。

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企画展「インスピレーション」では、ゴールドや鉱石などをモチーフにしたオブジェが並んだ。

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企画展や企業のブースのほかにも、デザイナー個人によるプロダクトの出展やブースなどが展開した。個人出展のデザイナーへのインタビューについてはレポート(2)で紹介する。(つづく)

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今年のデザイナーオブザイヤーに選ばれたDorothée Meilichzon(ドロテ・メリクソン)による、雑誌ELLEとコラボレーションしたカフェ。

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パリデザインウィークとコラボレーションしたイスの展示スペース。

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今の世界のトレンドである素材を集めたスペース「materiO」。

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石や鉄といった「ミネラリティ」のある素材が並ぶ。

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会場全体の出展から、「PRECIOUS」のテーマを体現するプロダクトやアートがセレクトされたスペース。

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チームラボによる企画スペース「Floating Flower Garden」では、天井から吊られた無数の花が、足を踏み入れた来場者に道を開けるように上昇していくインスタレーション作品が展示された。

 

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デンマーク政府が、自国のクリエイター育成・助成のために毎年行っている「Danish Collection」による展示。5名の作家の作品が並ぶ。

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Laura Baruelによる、草花の色を写しとったグラフィックをプリントしたファブリック。

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Martine Myrupによるカーボン素材を布で覆ったツボ。カーボンの実際の軽さと、見た目の軽やかさが相まって、触れる者に不思議な感覚をもたらす。

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Anne Tophojは、土の塊を半球状の器具で型押ししたものや、液状の土をボウルに流し込んだ時に生まれた形状をそのまま焼成し器として提案。

 

 

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ドイツ人デザイナー、SASCHA R & RWEIDEMANNのブースでは、金属と異素材を組み合わせた個性的な家具が並んだ。写真は金属+タイヤ+木のラック。

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家具ブランドCOLECTが提案する、オフィスやホテルなどの広い空間に向けたテーブル。精巧な引き出しの収まりが興味深い。

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デンマークの家具ブランドHAYが展開するアウトドア家具コレクション「PALISSADE」は、フランス人デザイナーデュオRonan & Erwan Bouroullecによるもの。

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ベルギーの照明ブランドSPIRIDONのブース。

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キャンドルなどインテリア雑貨を中心に扱うANNA KILPEのブース。

 

 

メゾン・エ・オブジェ・パリ
会期:2015年9月4日(金)~8日(火)
場所:パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場(ZAC Paris Nord 293420 Villepinte, France)

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富山ガラスの魅力を伝える「食と…

会場には6組の作家のガラス作品が並んだ。写真は、坂田裕昭氏のグラス。

富山を拠点に活動する個人のガラス作家たちで組織される富山ガラス作家協会が、東京・新丸ビルの飲食フロア「丸の内ハウス」で、展覧会「食と器」展を開催した。3月14日の北陸新幹線開通に合わせ、丸の内ハウスの各飲食店で行われた「富山フェア」とコラボレートした企画展で、富山県の魅力の一端を感じられる空間が展開した。

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会場構成は、建築家の小川裕之氏が手掛けた。大きな暖簾を用いた情緒的な空間レイアウト。

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各作家の器に料理を盛り付けたポスターも展示。

同協会による東京での展覧会は、2013年から始まり、今回で3回目。会場には、6人の作家によるガラスの器と、料理研究家・小石原宣子氏がコーディネートした、それぞれの器に料理が盛りつけられたビジュアルが空間を彩った。会場構成を手掛けたのは、建築家の小川裕之氏。富山をテーマに描かれたグラフィックを取り込んだ大きな暖簾が会場を緩やかに分節する。

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池田充章氏による器。

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同、箸置き。

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池田充章氏。

 

ガラス作家で同協会の共同代表・池田充章氏は次のように話す。「協会には現在30人の作家が参加していますが、それぞれ追求している作風や技法はさまざまです。今回展示に参加した6人の作家がガラスの“器”を作る機会が多かったということもあり、それに料理を組み合わせた見せ方を模索しました。昨年はアートやデザイン関連のショールームなどが入る六本木アクシスギャラリーで展示を行いましたが、今年は飲食業に関わる方々にもたくさん見ていただけるということで、この丸の内ハウスで器を見ていただくことで、新しい展開につながっていくことを期待をしました」。

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森康一朗氏による器。

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ケーンワークに用いるガラス材を手に説明する、森康一朗氏。

作家の森康一朗氏は、「吹きガラスによる器や花器をつくる機会が多く、今回は展覧会なので、そこにパッと目にした時のインパクトのあるものを作りたいと考えました。ケーンワークという、色の付いたガラスの棒を、透明のガラスに巻き込みながら色のラインをつけていく手法を用いています」と話す。また、透明のシンプルな器でありながら、形状や端々に独特の形状を持たせた作品を展示した森知恵子氏は、「普段から、日常で使える器に私が作ったというオリジナリティー少しだけ取り入れたものを作りたいと考えていて、皿やコップなど、同じシリーズで用途のバリエーションを用意しました。実際に、器に料理が盛られている写真を見て、料理研究家の方やカメラマンの方など、他者の視点を知ることができ、新たな刺激をいただくことができました」と語る。

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森知恵子氏によるグラス。

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森知恵子氏。

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岸本耕平氏による、シンプルながらも力強いガラス作品。

細いガラスの線材を積層させる手法が特徴的な吉田薫氏は、「私自身は器をつくる機会があまり多くないため、自分の作品に料理が盛られているの見て、さらにさまざまな状態も見てみたいという思いを強く持ちました。また一方で、料理や飲食業に携わっている方々が、自分の作品に何か創作上のヒントを感じ取ってもらえればと思っています」と話す。

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細いガラス材を集積させて一枚を構成した、吉田薫氏の皿。

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吉田薫氏。

「富山のガラスのことを知ってもらい、ファンを増やしたいという思いで活動していますが、まだその魅力は“原石”の段階だと思っています。これから、より多くの人々に見てもらうことで、それが磨かれ、注目される存在になるよう、情報発信の場を増やしていければと思っています」と話す池田氏によれば、富山のガラスとは、例えば琉球ガラスや江戸切子などのように、見た瞬間に分かるデザイン的な特徴があるものではなく、富山の地で培われてきたさまざまな技法やそのガラス質を含めたガラスの美しさを包括したものだ、とも語る。
そのガラス文化がアートピース的な作品から、実用的な作品まで、分野をいかに横断し展開を見せていくのか、今後の動きにも注目したい。

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展覧会場の入り口に下がる暖簾の前で。

 

富山ガラス作家協会「食と器」
会期:2015年2月18日(水)〜3月1日(日)
時間:11:00〜23:00
会場:丸の内ハウス(東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸ビル7階)
詳細:https://www.bamboo-media.jp/archives/5059

コーディネーター:小石原宣子(料理研究家)
会場デザイン:小川裕之(小川都市建築設計事務所)
プロデュース:BAMBOO MEDIA Co.Ltd.
撮影:青木勝洋

富山ガラス作家協会
http://toyama-glassartists.com/

丸の内ハウス
http://www.marunouchi-house.com/

小川都市建築設計事務所
http://www.ogawaoffice.com/

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富山ガラス作家協会「ガラスが繋…

13月28日、29日に、六本木・アクシスのギャラリー「シンポジア」で、富山ガラス作家協会による展覧会「ガラスが繋ぐ人、未来」が開催された。会場には、9組のガラス作家による作品を展示。ガラスを糸のように伸ばして集積させたものや、積層させた板ガラスを切削加工したもの、電気炉に流し込み化学反応を利用して独特の表情を生み出したものなど、それぞれの作家の個性が色濃く出た作品が並んだ。

板ガラスとシートを積層させて切削することで独特の表情を生み出した作品。作/小島有香子

板ガラスとシートを積層させて切削することで独特の表情を生み出した作品。作/小島有香子

熱を加え細く伸ばしたガラスを集め、その繊細さと煌めきを切り取ったような作品。作/吉田薫

熱を加え細く伸ばしたガラスを集め、その繊細さと煌めきを切り取ったような作品。作/吉田薫

ガラスの中に色と泡による繊細な文様をガラスにとじ込めた花入。作/安田泰三

ガラスの中に色と泡による繊細な文様をガラスにとじ込めた花入。作/安田泰三

富山ガラス作家協会は、富山県に拠点を置く個人のガラス作家によって構成される団体。現在、20代から60代まで幅広い年代の作家30組が所属し、共同での展覧会や情報交換を行っている。今回、協会として東京で初めての展覧会を開催するに至った経緯を、協会の代表を務める池田充章さんは次のように話す。「富山には、行政のガラス作家に対する支援体制や、日本初のガラス専門の公立教育機関『富山ガラス造形研究所』などがあり、ガラスを地場の産業の一つとして確立すべく力を入れています。実際に、多くのガラス作家が富山に工房を構え、日々、制作に取り組んでいます。今回の展覧会を通して、その技術や、ガラスの魅力を感じてもらいたいですね」。その他、通常は個々の自費で個展を行っている作家たちだが、協会として協力しあうことでその負担を軽くでき、同時に作家同士の刺激も生まれるなど利点も多いという。

富山ガラス作家協会の代表を務める池田充章氏

富山ガラス作家協会の代表を務める池田充章氏

展示会場には、富山を拠点に活動する9組のガラス作家の作品が並んだ

展示会場には、富山を拠点に活動する9組のガラス作家の作品が並んだ

吹きガラス、カット、切断と複数の手法を組み合わせ、パッチワークのような表情を作り出した器。作/佐野猛

吹きガラス、カット、切断と複数の手法を組み合わせ、パッチワークのような表情を作り出した器。作/佐野猛

ガラスを熱して成型するホットワークと、電気炉で変形、素材を融着させるキルンワークという手法を用いた作品。作/岸本耕平

ガラスを熱して成型するホットワークと、電気炉で変形、素材を融着させるキルンワークという手法を用いた作品。作/岸本耕平

また、参加した作家の一人である吉田薫さんは、「普段はコップや皿など、用途が決まったものをつくることが多いのですが、ここではアートピースとしてガラスの魅力的な表情を伝えたいと考えました。作家が作りたいものを制作することで、作家によって使う技法が異なることも見てとれます。また、用途を限定しないことで、見た人が新しい使い方を見出してくれるかも、と期待もしています」と話す。会場には、インテリアデザイナーらも訪れ、独創的なガラスの表情にインスピレーションを刺激されているようだった。

金、赤、黒が有機的な文様を描く器。作/池田充章

金、赤、黒が有機的な文様を描く器。作/池田充章

吹きガラスによって形づくられた、ななこ文様のグラス。作/坂田裕昭

吹きガラスによって形づくられた、ななこ文様のグラス。作/坂田裕昭

ガラスの質感が、迫力と同時に愛らしさも感じさせる愛染明王像。作/小幡祐嗣

ガラスの質感が、迫力と同時に愛らしさも感じさせる愛染明王像。作/小幡祐嗣

ガラスの内側に文様を浮かべ、それらを重ねることでガラス独特の質感、厚みを感じさせる作品。作/岩瀬明子

ガラスの内側に文様を浮かべ、それらを重ねることでガラス独特の質感、厚みを感じさせる作品。作/岩瀬明子

富山ガラス作家協会に所属する作家たち。左から、佐野猛氏、小幡祐嗣氏、小島有香子氏、坂田裕昭氏、池田充章氏、安田泰三氏、吉田薫氏

富山ガラス作家協会に所属する作家たち。左から、佐野猛氏、小幡祐嗣氏、小島有香子氏、坂田裕昭氏、池田充章氏、安田泰三氏、吉田薫氏

今回展示された作品は、会場で販売も行われ、訪れた瞬間に作品に魅入って、すぐに購入を決めた来場者もいたという。「富山のガラスをアピールすることが、ガラス文化の成長を後押ししてくれている地元への、何かしらの形での恩返しになれば良いなとも思っています」と語る池田さん。2015年には北陸新幹線も開通し、より多くの人が富山を訪れる機会が増える。そこで、いかに今とこれからのガラスの魅力を伝えられるかがカギだとも。個人作家達による、能動的な地場産業の発信に今後も注目したい。 〈 BAMBOO , 撮影/青木勝洋〉

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82周年を迎えた「ザ・ペニンシ…


昨年12月、“香港の顔”として名高い「ザ・ペニンシュラ香港」が開業82周年を迎えた。香港の歴史と伝統の移り行く様を見続けてきたこのホテルでは現在、さまざまなイベントが企画され、人気を博している。『私たちの香港』OUR HONG KONGと名付けられたBOOKは、「ザ・ペニンシュラ香港」の50名のスタッフが、各々の趣味や知識、香港で生まれ育った経験を通じて香港の見どころを紹介した一冊。ガイドブックには掲載されない香港の隠れた一面を垣間みることができる。7月31日までこのBOOK一冊が付いた人気特別メニューがランチとディナーで楽しめる(628香港ドル)。また、“ザ・ペニンシュラアカデミー”では、BOOKで紹介されている香港の文化について学べるプログラム(有料)が用意されている。このプログラムでは、香港市内の自然探訪や歴史探訪といったアクティビティとホテル内の中国料理レストラン「スプリング・ムーン」での食事がセットになっており、五感で香港を楽しめる内容になっている。

Last December, The Peninsula Hong Kong, “the Face of Hong Kong” had their 82nd anniversary. The hotel has been witnessing the history and changing tradition of Hong Kong, is holding various popular events. In the book titled”Our Hong Kong”, 50 staff of the hotel introduce the must-see places based on their backgrounds such as hobbies, knowledge and their lives. You can fine secret places, which guidebooks can’t cover. Until July 31, 2011, you can enjoy lunch or dinner at HKD628. The price includes a copy of the book. Also, “The Peninsula Academy” offers the program (with fee) which you can learn the culture of Hong Kong introduced in the book. With this program, you can enjoy activities such as exploring the nature and historical points in the city as well as the meal at Spring Moon restaurant of the hotel.


 

  • コンパクトな香港を満喫するのに欠かせないのが移動手段の選択だが、「ザ・ペニンシュラ香港」ではミニクーパーSクラブマン2台を導入。これはスイートに宿泊する顧客限定のサービスで、観光やショッピングなどの足として非常に便利で軽快な移動が体験できる。 
  • It is inevitable to choose right transportation when you explore the city. The hotel have two Mini Cooper S Clubman.  This is the exclusive service for the guests staying at their suite rooms, and it promises you can have comfortable trips to sightseeing spots and shopping area.


  • 1930年代の上海を思わせるラウンジバー「サロン・ド・ニン」。昨年12月、「ザ・ペニンシュラアーケード」の一角にオープン。1930年代の上海に実在したプライベートサロンの空間をイメージしたこのラウンジバーは、香港の建築家、Henry Leungが手掛けている。その昔、東洋のパリと称された上海の魅力を表現したこの空間には、世界各地の旅先で収集した美術品や骨董品が飾られ、上海デコと呼ぶにふさわしい仕上がりとなっている。 
  • Lounge Bar “Salon de Ning”, which makes you feel you are in Shanghai in 1930. It opened in The Peninsula Arcade in last December.  The lounge, which creates an image of a private salon which actually existed in Shanghai in 1930 was designed by the architect, Henry Leung.  In the space, which used to be called Paris in the Orient, art and antique pieces are displayed in Shanghai Deco style.
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タイのデザイン界が、いま面白い…

上/Hotel tenfaceの客室


■デザインで勃興をはかるタイランド

 タイ・デザイン隆盛のはじまりは、およそ10年前にまで遡る。

 中国が“世界の工場”として存在感を示すようになるにつれ、タイのプロダクト生産コストにおけるプライオリティーは相対的に下降した。こうした状況に対し、出された答えが“デザイン”という付加価値の創造だった。

インテリアデザイナーでもあり、タイ・インテリアデザイナーズ・アソシエーション(http://www.tida.or.th/)のエグゼクティブメンバー、Somchai Jongsangさんは言う。

「とにかく地盤固めの10年でした。世界に通用するデザイナーの育成、その才能を発信するための場の提供、全方位的な試みをしてきました」。

好例がTCDC(タイ・クリエイティブ&デザイン・センター/http://www.tcdc.or.th/)やBACC(バンコク・アート&カルチャー・センター/http://www.bacc.or.th/)といったデザイナーを支援するための施設開設だ。

05年に開業したTCDCは、2万冊以上のアートブックや250種のデザイン系雑誌、DVDが閲覧でき、ニューヨーク企業とのコラボレートによる4000種類以上の最新マテリアルを収蔵する資料室も備える。会員数はすでに2万人近いという。

また、インターナショナルを冠した見本市も数多くスタート。TIFF(タイ・インターナショナル・ファニチャー・フェア)といった、世界も注目する見本市も育っている。

真心を込めて蒔いた種に与えられた水が、空前の好景気だった。アジア通貨危機で一旦は停滞したタイ経済だったが、積極的な輸出政策を採ることで再び上昇に転じ、2010年には7%台の成長率を記録。こうして富裕層と貧困層という二極化が崩れ、中流層が台頭した。結果、マーケットは旺盛な消費能力を得て、デザイン力は購買の大切なモチベーションとなった。

都市開発が活発化することで、それは建築にも波及した。「ほんの少し前まで、デザインを学ぶ学生に求められたのは、物資を効率的に運送するためのいわば“トラック”だった。それが今では“スポーツカー”を作れというスタンスに変わっている」。こう話してくれたのは、家具などを手掛けるデザイン事務所、SLAPhttp://www.slapstudio.net/)のSuponwat Kitpakornsantiさん。ひところは海外留学がトレンドになったが、インフラが整ったことで国内で学び、第一線で活躍するデザイナーも増えているという。

海外建築コンペの常勝集団を率いるアーキテクト、MEEさんはバンコクの大学を卒業後、現在の設計デザイン会社に入社。「バンコクは今、実地で学べる環境にある。十分勝算はある」と語る。

「施工技術の点ではまだ劣るところもあるものの、我々のデザイン力は確実に向上している。力が試せる環境があるのも大きい」(MEEさんの師匠でバンコク随一のアーキテクトとして知られるKongsak Yuktaseviさん)。

先のSOMCHAIさんは言う。「若手デザイナーはタイならではの伝統、文化にコンテンポラリーな感性を融合するセンスに長けている。カービング(タイ独特の彫刻)に代表されるクラフトマンシップもある。ホテルやリゾート施設は、すでに世界レベルの高い評価を得ています」。

“微笑の国”はいまや、スパや屋台といったオリエンタル一辺倒のイメージを払拭し、デザインという新興ジャンルが、急速な勢いで国際的競争力を獲得しつつある。

(取材と文、写真/竹川 圭 エディター、ライター)


■Thailand Rises through Design Industry

Rising of Thai design started 10 years ago.

As China started showing its presence as “a World Factory”, Thailand was less prioritized in terms of product costs. And to solve this situation, they came up with the idea creating added value by “Design.”

Mr. Somchai Jongsan, Interior Designer and Executive Member of Thai Interior Designers Association http://www.tida.or.th/ says “We have been making efforts for 10 years just to establish the foundation. We tried all aspects to develop world-class designers and provide communication outlets for their talent.”

 Establishing facilities to support designers such as Thailand Creative & Design Center (TCDC: http://www.tcdc.or.th/) and Bangkok Art & Culture Center (BACC: http://www.bacc.or.th/) is one of good examples.

TCDC, which opened in 2005 has collection of more than 20,000 art books and 250 kinds of design magazines and DVDs for browsing as well as Material ConneXion, an extrinsic facility with more than 4,000 kinds of the latest materials, established through the collaboration with the company in New York.  The center already has members close to 20,000.

Also, they have been organizing many “international” tradeshows. Some tradeshows such as Thai International Furniture Fair (TIFF) were grown into what the world keeps eye on.

Seeds were planted with their whole heart and fertilized with unprecedented economic prosperity. Although Thai economy slowed down due to the Asian Financial Crisis, they achieved 7% of the growth rate in 2010 by taking the strategy on active exporting. They used to have two extreme income groups, poor and rich, but middle-class started emerging. As the result, the market gained strong buying power, and the design has become an important factor for purchasing. 

Activated Urbanization Influenced Architects. “Until recently, what design students were expected was just like “a truck”, which transport goods effectively. But now, they were asked to make “a sports car” instead.” says Suponwat Kitpakornsanti of SLAP Studio (http://www.slapstudio.net/), a design company that designs furniture. 

Studying overseas was once popular, but now, there are more students, who study in Thailand and are becoming frontline designers, as the educational infrastructure has been developed.

Khun MEE, who leads the invincible team at international architectural competitions, graduated the university in Bangkok and joined the current design firm. He says, “In Bangkok, we have the learning environment in the field. We have a good chance of success.”

“Although construction technology still has to be improved, design skills has definitely been progressed. It is also important that we have the environment we can try out our ability” (Mr. Kongsak Yuktasevi, Khun MEE’s boss and the leading architect in Bangkok.)

Khun SOMCHAI also says, “Young designers are good at adding contemporary touch to cultural items. We have our own craftsmanship such as traditional Thai curving.  Hotels and resort facilities have already been highly recognized in the international market.

Oriental image such as spa and street venders representing “Land of Smile” is already history. They are rapidly gaining the international competitive power in the field of design.

 (Text and Photos/ Kei Takegawa, Editor/Writer)

 

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【海外コンペの常勝集団「L65 & ASSOCIATE」】

海外の建築コンペでも高い勝率を誇るという設計デザイン事務所「L65&ASSOCIATE」。同社アーキテクトのMEEさんは、その秘訣をこう語る。「クライアントや環境に配慮したコンセプトを備え、フレキシブルに事に当たるフットワークの軽さが欠かせません」。今回の取材をアテンドしてくれた宮崎秀樹さん(単身バンコクへ渡り、建築設計事務所を主宰するインテリアアーキテクト)は、彼らを次のように評価する。「日本のデザイナーであればコスト面等で断念せざるを得ないような案件においても、彼らはクライアントの意向、文化を汲み取ったデザインが具現化できる。しかしそれは、世界においてはスタートラインに立つための最低限の条件であり、ふり返って日本の後進性が浮き彫りになります」。

Invincible Team at International Competitions “L65 & ASSOCIATE”】

Khun MEE, Architect at “L65&ASSOCIATE” comments on his design firm’s high winning rate at the international architectural competitions, “It is inevitable to provide the concept with careful consideration on client’s needs and the environmental issues and have flexibility and agility to respond.” Mr. Hideki Miyazaki, who helped all interviews and photo shooting this time, comments on them, “They can materialize clients’ needs and design with cultural touch for their works, which Japanese designers may have to give up due to the cost strain. But that is the minimum standard that designers have to achieve to start up in the international market, and that makes Japanese backwardness come out.” (Mr. Miyazaki is an interior architect. He moved to Bangkok and runs his own architect firm there.)

上/L65&ASSOCIATEMEEさん。最近、イラクのバクダッド「サドルシティ再開発」では、街そのもののデザインを提案。下/これもコンペで勝ち残った「PLAZA ATHENEE HUA HIN」のパース。バンコク第二の財閥が運営する高級ホテル。

Top/ Khun Mee of L65& ASSOCIATE. He recently proposed the design for “Redevelopment of Saddle City” in Baghdad, Iraq. Bottom/ Perspective drawing for “PLAZA ATHENEE HUA HIN”, which he won at the competition. It’s own by the second richest family in Bangkok.

 


【バンコク・デザインを象徴する人気ホテル「tenface」】

タイの伝統とモダンな感性を融合し、バンコク・デザインのもっとも優秀な回答例として注目を集めるのがホテル「tenface」。08年に開業し、平均で90%以上の稼働率をキープしている。そのほとんどが海外からのビジネストリッパ-であり、ワールドワイドで通用するクオリティーを備えていることがわかる。コンパクトでミニマルな、伝統をモチーフにしたデザインワークは顧客に質の高い快適な時間を提供している。

“tenface” popular hotel, which represents Bangkok Design】

“tenface” is one of the best practices of Bangkok Design, which presents traditional Thai motif mixed with contemporary touch. The hotel opened in 2008 and maintains exceptional occupancy rate of 90%. Most of their guests are business travelers from overseas, and that shows their quality meets the international standard. Its compact and minimal design works with traditional items provides the guests a quality stay.

 



【規格外の発想でインパクトを与える「longtable」】

084月にオープンしたダイニングバー「longtable」。その名の通り、全長24メートルにおよぶカウンターテーブルがウリ。地上25階からの夜景が一望できるオープンエアも見逃せない魅力の一つだ。建築基準法が緩いことに加え、若手デザイナーの活躍の場が広がってるバンコクでは、ダイナミックな建築がそこかしこに誕生しているが、その代表的な空間が「longtable」と言えるだろう。

Giving Impact with Non-standard Idea – “longtable”】

“longtable” is a dining bar opened in April 2008.  As the name tells, they have a symbolic 24-meter counter table. The open-air area, where the guests can enjoy the night view from the 25th floor where the venue located, is one of the best features not to be missed. There are so many dynamic architectures everywhere in Bangkok, where young designers are taking an active part, and their less strict building standards law may also make some contribution. 


 


【日本での認知が広がる家具デザイナー「o-d-a」】

木をテーマにしたインターナショナルなデザインフェア「国際家具デザインコンペティション旭川」で前回入賞を果たし、2011年も最終選考まで残っている「o-d-a」。「タイの文化は大切だが、表層をなぞるような手法には疑問がある。僕らのスタンスは、“デザインも英語で話そう”というもの。内面にあるものをどうデザインに昇華するかが肝要であって、タイらしさとは結果としてついてくるものだと思う」(デザイナー、Piti Amrarangaさん)。前出の宮崎さんは、「こうした才能が誕生する背景には、彼ら自身のポテンシャルもさることながら、スキルを磨く環境がバンコクに整いつつある証拠でしょう」と話す。

“o-d-a”, a Furniture Designer Gaining More Recognition in Japan】

“o-d-a” won the prize at the wood-themed “International Furniture Design Competition Asahikawa” in the previous year and also made it to the final in 2011. “Thai culture is precious, but it’s questionable to adopt it superficially. My attitude to design is <speaking design in English. > How we sublimate what we have inside into design is most important, and then Thai-style will follow.” (Mr. Piti Amraranga, Designer)  Mr. Miyazaki also says “More talents are being developed, that’s not only because there are high potential designers, but also there is the environment where they can improve their skills in Bangkok.

バンコクでは洗濯など、ふだんの生活で使う背の低いスツールをモチーフにデザイン。スツールのみならず、ログやベンチまでラインナップ。ソリッドなウッドのそれらコレクションはモダンさと同時に温かみを内包している。絶妙なサイズ感で、生活のあらゆるシーンで活躍してくれそうだ。

Design of the small stool was inspired by a chair used for doing laundry in Bangkok. They have not only stools but also logs and benches. The collection made from solid wood creates modern yet warm touch. They are just in right size and usable in various scenes in daily life.



【使い勝手の良さに個性を見出す「SLAP」】

4人のメンバーの頭文字からその名を取り、2007年に創業したSLAP。アート志向のデザイナーが多いバンコクのデザイン界にあって、ユーザーの使い勝手を第一とした機能美を目指す、叩き上げのプロダクトデザイナー集団だ。デザイナーのSuponwat Kitpakornsantiさんは、「北欧デザインに代表される、シンプルな中に個性を生むデザインワークが信条です」と話してくれた。

Creativity within Usability “SLAP”】

SLAP was named after the initials of four founders and established in2007. They are the real professional team of designers, who seeks industrial beauty while making usability a top priority, although many of other designer focus on an artistic aspect. Mr. Suponwat Kitpakornsanti, Designer says “Simple yet unique design, just like Scandinavian design, is our core value”

上/木製のフレームをクッション材でくるりと覆うという斬新な発想のソファ。 下/ヨットの船底部をモチーフにしたラウンジチェア。製作には本物の船の工場が当たった。 

Top/ Uniquely designed chair, which wooden frame is covered by the cushion materials. Bottom/ Lounge chair with the design motif from bottom of yacht. Production was done by a ship building company.

 


【現代のフィルターを通してバンコクの文化を伝える「GEODECO」】

ファッション誌『lips』の編集長sakchai guyさんと、ファッションデザイナーmetta tuntisajathamさんが手掛けるライフスタイルショップ「GEODECO」(ジェオデコ)。ラインナップされるのは、タイ文化を背景にしたオリジナルの生活用品だ。モダンオリエンタルといった趣きで、そのプロダクトは日本でも感度の高い店で扱われている。「本業の合間に好きなことをやろうと始めたのがきっかけ。タイを代表する蘭の花などをモチーフに店づくり、商品づくりをしている。それぞれの分野の一線で活躍する人間が集まっているから、そこにモダンな感性が加わる」(Sakchai Guyさん)。

“GEODECO” Delivers Bangkok Culture through Modern Filter】

“GEODECO” is a lifestyle magazine created by sakchai guy, Editor in Chief of “lips” magazine and metta tuntisajatham, Fashion Designer. It introduces original commodity goods with Thai culture as background. It has a modern oriental taste, and the products are sold at the stylish shops in Japan. “I started, as I wanted to do what I like between my day jobs. I use orchid flowers as motif when I produce the shop and products. Modern touch is added, as we have frontrunner of various fields working on them.” (Sakchai Guy)

 

 

 

【中流層のニーズに応えたシャツ専門店「DULY」】

高度経済成長で一気に拡大した中流階級の潜在需要に応え、成功を収めているシャツ専門店「DULY」。トーマス・メイソンなど、ヨーロッパの一流生地を10年以上のキャリアを持つタイの熟練した職人が仕立てる。「タイトなフィッティングを好むバンコクの人々にとって、ヨーロッパのシャツはオーバーサイズでした」(デザインも手掛ける代表のDulyanart Bejrajatiさん)。3,950バーツ(約10,1850円)~と、百貨店のオリジナル以上、ヨーロッパのブランド以下の価格で手仕事を駆使したシャツを提供。一号店は郊外に構えたが、現在はハイブランドが一堂に会するショッピングセンター「サイアムパラゴン」内にも進出している。

“DULY”, Shirt Shop Responding to Middle-Class Needs】

 “People in Bangkok prefer tight-fitted shirts, but European ones were oversized.“ (Mr. Dulynart Bejrajati, Representative and Designer).  They offer hand-sewn shirts at the price higher than department stores’ but lower than European brands’. Their first shop is located in suburb, but now they have the shop in Siam Paragon, the shopping center where all high brands have their shops.

トーマス・メイソンをはじめとした高級ファブリック、1インチ18針のピッチ、柄合わせ、手縫いによるボタン付けなど、そのこだわりは日本のショップと比べても遜色ない。手仕事を駆使して、日本円にして1万円台前半の価格設定は驚きの一言だ。

Their craftsmanship achieves high standard as that of Japanese shops, such as high-quality fabric including Thomas Mason, pitch with 19 stitches per inch, pattern matching and sewing button on by hand. It cost a little higher than 10,000 yen, which is amazing considering that it’s all hand sewn.



【フェミニンな味付けが光る「Patsarun」】

2001年にオンワード樫山のファッション大賞グランプリを受賞したPatsarun Sriluansoiさん。バンコクで確固たる地位を築いたブランド「Patsarun」は現在、日本の企業と組んだ「サースト」というブランドで東京などでも知名度が高まっている。「ヴィンテージをベースにしつつ、現代のエッセンスをミックスしている。タイ人はさまざまな文化を吸収する術に長けている。僕は幼いころから建築に興味があり、パターンメイキングなどに影響を受けていると思う」(Patsarun Sriluansoiさん)。

Feminine Touch Stands Out “Patsarun”】

Patsarun Sriluansoi won the Grand Prize at Onward Kashiyama’s Fashion Competition in 2001. Brand “Pastsarun” has established the robust foundation in Thailand and is currently gaining awareness in Tokyo as the brand named “Thirst.” “I use vintage as the base of my design and add the modern essence to it. Thai people are good at absorbing various cultures. I have been interested in architects since I was a child, and I think it has some influence on my pattern making.” (Mr. Patsarun Sriluansoi)

オーセンティックなモノづくりをベースにしつつ、ちょっとしたパターンにフェミニンな感性を感じる。ゲイ文化を許容する微笑みの国らしい味付け。

Slight feminine touch can be seen in some patterns, while authentic craftsmanship is based on. It reflects the Land of Smile, where gay culture is widely accepted.

 


【中流層拡大の追い風に乗った「ootoya」】

お米文化で親日国ということを踏まえ、海外初の出店先としてバンコクを選んだ「大戸屋」。1号店のオープンは2005年だったが、中流階級の急増と日本食ブームに乗って現在すでに28店にまで拡大している(412日に30号店がオープン予定)。現地代表、高田知典さんに聞いた。「各店に日本人スタッフを配し、味、サービスとも日本と同じクオリティーが提供できたことが勝因でしょう」。特筆すべきもう一つの特徴は、屋台文化が根付き、近代的な商業施設においてもオープンな造りの店が多かったバンコクにあって、あえてクローズドタイプの店にトライしたことだ。「高級志向の中流層に受け入れられ、クリスマスやバレンタインなど特別な日に使われる店になっています。デザインは宮崎さん(前出)にお願いしました」(同)

【Catching the Trend of Middle Class Expansion – ootoya】

Ootoya has chosen Bangkok for their first overseas venue, as Thailand is pro-Japanese country and has rice-eating culture. They opened the first shop in 2005 and now have 28 shops thanks to expanding middle-class population and Japanese food boom. (30th shop opened on April 12.)  We interviewed Mr. Tomonori Takada, General Manager of Thai Ootoya. “Our key to success was we assigned Japanese staff at each shop and provide same quality products as the ones in Japan in terms of taste and service.” Significance is they tried out a closed style in their shop design, although many restaurants in Bangkok have open-style shops even if they are located in the modern shopping complex, as they have long history of street food vendors and people are used to eat in that environment. It is well-perceived by middle-class people who prefer high-class stuff, and the restaurants have become the venue, where guests use for special occasions such as Christmas and Valentine’s Day. We asked Mr. Miyazaki to design the shops.” (Mr. Takada)


上/タイの木材を使ったファサードは、モダンで高級感溢れる造り。「大戸屋」と言えば女性が一人でも入れるなど、定食屋のイメージを変えた先駆者でもある。革新性を持った「大戸屋」らしい攻めの姿勢と言える。 下/活躍の場をバンコクに移した日本人インテリアアーキテクトの宮崎秀樹氏。http://www.msideal.co.jp/

Top/ Façade made from Thai lumber creates modern yet luxury ambience. Ootoya is a pioneer who changed the image of Japanese casual eatery, which used to be an uncomfortable place for women to eat alone. That aggressiveness well represents Ootoya, who has an innovative mind. Bottom/ Mr.Hideki Miyazaki interior architect

 

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食の香港にふさわしい魅力的なビ…

香港国際空港内にある「THE CABIN」は、2010年10月にオープンしたばかりのキャセイパシフィック航空専用ビジネスクラスラウンジだ。空間デザインを手掛けたのは、イギリスの人気建築家ノーマン・フォスター率いる、フォスター+パートナーズ社。“コンテンポラリー”“リフレッシング&ダイナミック”をコンセプトにデザインされた1339平米の空間は、ITゾーン、ザ・デリ、ザ・ヘルシー・バー、リラックスという四つのゾーンに分かれている。搭乗前に自由に活用することでリフレッシュできる空間づくりとなっている。ITゾーンにはiPadも導入されるなど、ビジネス面での環境設備も抜群。オーダーできるヘルシーな絞り立てジュースや中国ハーブ茶で一息つくのもいい。また、読書などのくつろぎ時には、ぜひキャセイ・ソーラスチェアを試してほしい。イタリアの高級家具メーカー、ポルトロナ・フラウ社とフォスター+パートナーズ社が手掛けたチェアが、実に快適な座り心地を提供してくれるだろう。

http://www.cathaypacific.co.jp

背もたれのクッション性が抜群に良く、プライベートな空間にいるような感覚になれるキャセイ・ソーラスチェア。ラウンジの営業時間は午前5:30〜最終便の出発時間となっている。

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キャセイパシフィック航空が 新…

2010年12月7日、キャセイパシフィック航空によるパーティーイベントが香港・灣仔(ワンチャイ)の香港コンベンションセンターで開催された。このイベントは、新ビジネスクラスシートと新ユニホームの発表に際し、世界中のザ・マルコポーロクラブ ダイヤモンド会員3000人を招待するという盛大なイベント。同社COOのジョン・スローサー氏の挨拶に始まり、スペクタクルな光のショー、ビュッフェスタイルの食事、ゲームなども盛り込まれた華やかなパーティーとなった。

On December 7th, Cathay Pacific’s party event was held at Hong Kong Convention Centre in Wanchai.  This event was to introduce new business class seats and crew’s uniform, and 3,000 Diamond members from the world were invited.  Starting with the opening statement by John Slosar, COO of the company, the event offered various entertainments such as the spectacular lighting performance, buffet meals and games.

http://www.cathaypacific.co.jp

絶妙な角度が付けられて配置された各シートは、他人の視線を意識させないようにしながら、窓外に広がる景色は楽しめるよう工夫がなされている。背もたれの両側に袖状の突き出しも高いプライバシー性を確保。シート自体はフルフラット仕様で個室のような安眠が期待できる。また、電気機器を充電できる国際仕様の電源プラグやiPhone,iPod用のコネクター、USBポートなどの設備も充実している。

新ユニホームは、現ユニホームをブラッシュアップしたデザイン。香港の人気デザイナー、エディ・ラウ氏デザインによるもの。センターに立つ現役クルーのモデルは、日本人CAの北道綾さん。

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