予科練平和記念館
- ミュージアム
- 茨城
「命の尊さを伝える場所」
太平洋戦争末期「特攻」という非情な作戦を決行し、多くの犠牲者をだした日本軍。「予科練平和記念館」は特攻による戦死者の多くを占めた予科練とその時代の歴史を通し、命の尊さと平和への認識を深めてもらうことを目的としている。展示室という枠組で縛られた従来型の展示ではなく、展示のストーリーを建築の空間構成の骨格とし、歩みを進める中で理解ができ、施設全体でメッセージを感じ取れるデザインとした。屋内外に映し出される光と空は展示と呼応しながらその移ろいを感じさせ、戦争の時代を生きた少年たちが見たであろう空と現代の平和な空とを来館者が心の中で重ね合せることのできる重要な展示装置となった。建築からも伝え、考えさせるなど展示や資料だけでは感じさせることのできない演出を建築と展示の一体設計によって実現させた。