青山紅谷
- 物販店
- 東京
創業100年を迎える青山紅谷は、季節の移ろいを投影した和菓子づくりにこだわってきた。同南青山での本移転に際して「季節の変化に呼応する空間体験」ができるよう店内を一新した。和菓子の持つ繊細な色や形を最大限に魅せるため、敢えてダイレクトなライティングをせず、低反射ガラスと環境光の補足で偽りなく和菓子そのものの輝きを表現できるディスプレイとした。季節ごとに変わるラインナップにこそ真髄が込められ、その思いは紅谷に伝わる木型が物語る。ビジュアルとしてリズミカルに並ぶ木型ウォールと創業当時の時を経た看板は、伝統と技術を伝えるだけでなく、古いものをハイライトに新しさが併存し、紅谷の創作がいまもなお輝き続けているという心理的共感をつくりだす。手を差し伸べるように向かい合うベンチに腰掛けながら、店主が作り手の熱量とメッセージを説明できる機会を持てる親密度の高い空間。立地が角地のため円形の外周に沿ったアプローチガーデンを地域の通り抜け通路として提供し、老若男女を問わず店内に導く。円形の店内の吹き抜けは自然光を捉え、アプローチの樹木は季節に応じたシルエットとなって店内に投影される。そのような空間に身を置きながら和菓子を食することで季節の移ろいを五感で受け取ることができる。
青山紅谷
所在地：東京都港区南青山2-17-11オープン日：2023年6月16日
デザイン協力：小俣慶祐 F3R
床面積：34.92㎡（売場）
Photo：繁田 諭、小林海太郎（昼景）
- Designer：
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金子有太 フレイム ○プロフィールへ