WOMB 4F VIP FLOOR
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日本的意匠と共に機能的な音響空間を実現

渋谷の歴史ある花街、円山町。ライブハウス等が並ぶ表通りに対し、料亭や座敷が混在する裏エリアに「WOMB」がある。UKのMixmag世界クラブランキング2位に輝く、東京を代表するクラブであり、アジア最大級のミラーボールを擁するメインフロアがある。対して今回のサブフロア改装は、音を邪魔しない日本的意匠と、定在波の発生しにくいプランと素材の対比でテクノやハウスに合う音響空間をデザインした。壁は名栗で、和風な焼き杉と異なる洋風バーンド塗装、素材と断面形状で音の吸収と拡散を図っている。ブースは留め網代でWを表し、音を吸収拡散し、フロア奥の段差を設けた石壁と硬い左官ベンチで多方向に反響させることで、細長い空間で音が減衰しても一体感を得られる。床はオーク、ウオールナット、チークが異なる固有振動数でマイルドな反響をつくり、音の溜まる周囲はモルタルで反射させる。4層吹き抜けのメインフロアに面した鉄格子は観音開きが可能で、窓は調光ウムガラスシートを用い、中にダンサー入れたり照明のシルエットでヴァイブスが他フロアに視覚的に伝達される。回遊動線から斜めに接岸するカウンターには耳付きの無垢材を使用して、クラブの冷たくべとついたものとは一線を画す。ソファエリアはアーバンな壁紙で流行りの90s感を演出した。(樋口泰輔/BERLINA)

WOMB 4F VIP FLOOR

所在地:東京都渋谷区円山町2-16
オープン:2023年9月
施工:ノットコーポレーション
床面積:95㎡
Designer:

樋口泰輔 ベルリーナ ○プロフィールへ